夜泣酒

夜よおまえを みちづれに
ひとり手酌で 呑むお酒
逃げる男が 悪いのか
尽くす女が 馬鹿なのか
愚痴を注ぎ足す 夜泣酒

胸のすきまに 風が吹く
酔えば酔うほど 傷に泣く
めぐり合わせに 背かれて
春が過ぎたら また冬が
情つれづれ 夜泣酒

酒のしずくは なみだ味
みれんお猪口に 残るだけ
不幸ばかりを 追いかけて
いつも幸せ 遠まわり
外は時雨の 夜泣酒
×