裏町

誰にでもあるだろう 小さな過ちは
儘(まま)よお前は 背中を向けた
訳も知らない 別れは辛い
夜風が後追う 落葉が踊る
ここは駅裏 心やすらぐ 裏町通り

想い出になるのかな 古びた縄のれん
お猪口(ちょこ)並べりゃ 寂しさつのる
きっと今頃 さすらう旅路
汽笛を鳴らして 夜汽車は走る
未練隠して 胸に点もした 裏町灯り

道連れに星もない 凍(しばれ)るこんな夜(よ)は
はぐれ鳥さえ ぬくもり恋し
路地の片隅 密かに咲いた
すずなり横丁の 空似のあの娘(こ)
ここは男の 帰る故郷(ふるさと) 裏町酒場
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