桜並木

雨が上がったら 僕も濡れた瞼を拭いて
守れなかった約束のあの場所へ出掛けよう

通い慣れた坂道を自転車で走る 脇で微笑む笠地蔵
君にも見せたかった桜並木 どうかまだ散ってないように
降り続いた雨は今朝上がって 嘘みたいに青い空
君にも見せたかった桜並木 息切らしてペダルを漕ぐ

桜は散ってた 夕べの雨で
胸が痛くて だけど僕らもいつか枯れて そして灰になって
消えてくだけだとしても…

僕に残された時間どれくらいかな? それがもし明日だとしても
だからって今日を精一杯生きたところで 大して何も変わらないよね

いつかの僕がそう呟いたら 君は泣いてた「強く生きて」と
君が消えてやっと分かった
生きていたい 不器用でも…

落ちた花びら掬い上げて 僕は空へ投げる
ひらひら花びら風に揺れて もう一度春が来たような奇跡を 祈ってた

だけど確かに春は終わった どこかに落ちてないか探した
季節は巡り 人は流れて でも忘れないよ

さようなら 君が好きだった景色
次の春まで逢えなくなるね
瞼閉じれば君の笑顔が 桜舞う中で揺れてた

ほんの少し残っていた春の匂いを忘れないように
僕は深く息を吸った
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