トランプ

月明かりが 窓の隅で 僕と君を覗くみたいに
静かな部屋の中 冷蔵庫の音 低く小さく響いていた

君は突然ベッドから起きて トランプでもしようと言ってきたんだ
眠れないのならテレビでも観ればと 僕は壁に寄って背を向けていた

君は何を見て 何を思って 僕の隣りにいたのだろう
思えばあの頃から僕たちは キスもしないまま 眠れていたんだ

泣き顔も 変な顔も 僕にしか見せないと言ってくれたね
その言葉を信じて 馬鹿みたいだな はじめから君の中 僕はいないのに

君が誰かを忘れられないように 僕は君を忘れられないんだ
トランプでもしよう 今の僕なら 何にでもなれるジョーカー持ってるんだよ

君が誰を見て 誰を思っても 僕の隣りにいて欲しかった
朝がくるまで 知らない振りして 僕の横で 眠ってほしかった

君は何を見て 何を思って 僕の隣りにいたのだろう
思えばあの頃から僕たちは キスもしないまま 眠れていたんだ
眠れていたんだ…

月明かりが 窓の向こう 僕の部屋に背を向けていた
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