夜半に問う今

古臭くボロい絵筆なんです 色つきが悪くて空虚なもんで
何を描こうとしたんだろう
陰った空が美しくて流れた雨に目を洗われては浮かぶ雲を見上げてる

傷ついては嘘ついて小さなホントに気づけなくて
泣き出すのは わかりきってる
描きたいのはまだ覚えているよ 水彩画のように淡い自分じゃなくて
暗闇差す光を描きたい

滲んだ自分は位か? 器量か? そこで溺れ
未完成な美しさが出来上がりを求めぬように

水面に溶けだした懊悩はやがて樹と葉を作りだすんだ
だから焦らないで真っ白な明日を恐れないで
まとわりつく影が映した迷い、愚行、重ねた空言は
忘れた頃に変わりゆく為の糧になるんだ

思い出した昔の夢は今にとってはただ苦痛なもんで
だけど少し満たされてく くすんでいた本当の声が
微かでも確かに聞けたようで 閉じかけた目を開いてく

時間はそうだ自分が思うように刻めないんだ 忘れていた

塗りつぶしてゆくばかりで 何を見つけ何を得るだろう
答えはまだ想像の先へと続いていた

色を纏い濡らして 滲んだ自分は 不安も杞憂も載せて唄う
何色が似合うのかさえわからずに

大地に溶けだした 懊悩はやがて樹と葉を支えてくんだ
だから焦らないで真っ白な明日を恐れないで
その思念が空虚なく咲いた意思を 作り出すんだ
選んだ筆で 想像が求めた自分を描いて
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