花林糖

残暑のとぎれた
明るい夜

一口 囓る音が
庭に響いてく

甘く香る 月夜に浄められて
もう会えない あなたのことを 思い出す

駆け抜けた恋は
みじかすぎて

いつしか 傷のあとが
消えてしまっても

私たちは それぞれ別の場所で
同じ川の 流れのなかを 泳いでる
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