立ち止まった素描画

別れたんだってね彼とまるであっけなく
僕との時の様に君から云い出して
一寸買物に出かける様な調子で
ふらりと部屋を出て来たに決まってる
いい加減に『幸せ』の奴と
妥協してみたらどうなんだ
忘れちゃいけないもし君が
地図にない町を捜したきゃ
初めに地図が必要だって事
君と僕で前に一度
身に浸みたはずなのに君は
スケッチ・ブックに素描画だけ済ませたら
色付けの前に投げ出すくり返し

確かにこの世はとても虚しい事だらけ
だからといって投げていいものだろうか
僕も偉そうに云えた義理じゃないけれど
優しいくせに悪ぶるのはお止し
走り疲れたらお歩き
歩き疲れたらお休み
やがて休み疲れたなら
どうせまた走りたくなるさ
ファッションだけでは語り尽くせない
君も僕もひとつふたつ
それなりの夢がある 多分
人生って奴はかなしいよね でもごらん
よく見りゃまんざら捨てたもんじゃない
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