太陽がいっぱい

あがた森魚

太陽がいっぱい

作詞:あがた森魚
作曲:あがた森魚
発売日:1994/09/25
この曲の表示回数:12,247回

太陽がいっぱい
初めて 都会へ 出て来た年の夏
友達に さそわれて 海を見にいった
磯部は 若い 男や女の子達で
何もかもが 眩ぶしすぎた

友達のヨットの上で 友達の彼女が
ヨットよりも白い手で 麦藁帽子を
海にむけて涼しげに 振っていたけど
俺にもやさしいひとが欲しかっただけさ
その日の 海は 青く深く澄んでいたけど
俺のナイフは 海の底に沈んでいた

友達の彼女とふたりだけで泳いだ日
砂浜の上でくちづけをした

昼下りの磯辺は 風と波と砂とばかりで
ふたりが離れたら 海猫が 泣いていた
彼女は微笑むけど 何んだか口惜しくなって
口びるを噛みしめて ぬぐっても ぬぐっても
ナイフで裏切った 傷口が赤すぎた
俺にも やさしいひとが欲しかっただけさ

その日の 空は 白く高くぬけていたけど
俺のナイフは 海の底に錆びていただろうか

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