坂の下に見えたあの街に

尾崎豊

坂の下に見えたあの街に

作詞:尾崎豊
作曲:尾崎豊
発売日:1991/05/15
この曲の表示回数:76,868回

坂の下に見えたあの街に
まとまった金をため ひとり街飛び出して行くことが
新しい夢の中 歩いて行くことだから
でも寂しそうに見送りに立ちつくす母親にさえ
さよならが言えずじまいで アクセルふみ込んでた
あなたの夢に育ぐくまれて その夢奪ってくわけじゃない

小さな俺を眠らせた
こわれちまった オルゴールが
バッグの中で 時をかなでている
俺は車を止めて 手を振っていたよ
坂の下 暮れていく街に

仕事を終えて帰ると 俺のためにストーブをともして
親父はもう十九の俺の頭 なでながら
話す昔話の意味が その日俺にもやっとわかった
飛び立つ日から思い出は 夢の中で語るだけさ
排気ガスにすすけた窓 俺はひとり夢見ている
坂の下のあの街の中で 必死に探し続けてた物
あの日の親父と同じ様にね

坂道のぼり あの日街を出たよ
いつも下ってた 坂道を
家庭を飛び出してきたのは それより上目指してたから
やがて俺も家族を持ち 同じ様に築きあげるだろう
何もかもわけあって行く様にね

思い出す たそがれて行く街を
坂の下 たたずんでいた街を
俺はいくつもの 傷をきざみ込んだ
坂の下に見えたあの街の中

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