マラソン

吉田拓郎

マラソン

作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
編曲:吉田拓郎
発売日:2006/04/05
この曲の表示回数:33,044回

マラソン
子供の頃僕は
夢を見たことがあった
隣の大きな家に住む
あの人達に混じって話がしたい
ただそこにあるレンガの壁を
飛びこえさえすれば いいんだけれど
小さな僕の背伸びでは
まだ大人の世界をのぞけなかった

誰から聞いた訳じゃなくて
可愛いい女の子がいるらしい
まだ見ぬ憧れを追って
僕は ここにいるよと叫びたかった
夢を見続けているうちに
あの人達は どこかの町へ
とり残された僕の心に
悲しさが初めて姿を見せた

今はもう忘れかけた 出来事だけど
そんな ひとつひとつが重なりあって
人は いつか走れなくなるまで
はるかな夢を抱いて 旅を続ける

なつかしい人に出逢った時に
恥ずかしさが僕を包みこむ
例えば昔の恋人を
まぶしく思うのは 何故だろう
その時は その時の心をこめて
愛を言葉にしたんだけれど
あまりに何かを求め急いで
季節の変わるのも気づかずに

きっと本当は誰だって
人の人生を見つめはしない
心が病んだり ゆれる時
話し相手には なってくれるけど
自分の旅が続く限り
自分の明日を追いかける限り
苦しさにたえて そこにただ
立ちつくすだけの時もある

僕はあの時 風になり
大空をくるくる回りながら
このまま死んでしまいたいと
またひとつ 小さな夢を見た
ふり返れば そこに僕がいて
お調子者だと笑ってる
子供の頃も 今もまた
壁にしがみつくだけだった

今はもう忘れかけた 出来事だけど
そんな ひとつひとつが重なりあって
人は いつか走れなくなるまで
はるかな夢を抱いて 旅を続ける

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