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楽曲のストリーミング再生とは
音楽ストリーミングサービスで楽曲を聴く方法には、基本的に「ストリーミング再生」と「ダウンロード再生」の2種類があります。ストリーミング再生とは端末をインターネットに繋ぎ、通信しながら楽曲を再生することです。再生中は常にインターネット通信が発生します。一方ダウンロード再生とは、インターネットにつないだ状態で事前にダウンロードした楽曲を再生することを指しています。楽曲をダウンロードする際に通信が発生しますが、再生する際はオフラインでも再生可能です。
ストリーミング再生は端末に楽曲のデータを保存するわけではないため、保存容量に関係なく何曲でも再生できます。その代わり、再生している間は常に通信が発生します。ダウンロード再生は再生時に通信量がかからない点はメリットですが、どのくらいの楽曲をダウンロードし、保存できるかが端末の保存容量に左右されます。また、楽曲のダウンロード時には通信が発生します。
音楽ストリーミングサービスアプリの通信量はどれくらい?
音楽ストリーミングサービスで楽曲をストリーミング再生する際にどのくらいの通信量が発生するかは、様々な要因によって異なります。音楽ストリーミングサービスごとに異なるほか、同じ音楽ストリーミングサービスでも選択する音質によっても変わります。
ほとんどの音楽アプリではユーザーが音質を設定できるので、通信量を抑えたい時は低音質に、Wi-Fiに接続しており、データ通信量を気にせず音楽を楽しめるときは高音質になど、その時にあわせた音質にする方法がおすすめです。
主要音楽ストリーミングサービスの通信量目安
主要音楽ストリーミングサービスの各音質設定でのデータ量は、下記の通りです。
Apple Music | Amazon Music Unlimited | Spotify | LINE MUSIC | YouTube Music | |
低音質 | 約64kbps ※1 | ※2 | 約24kbps | 64kbps | 上限48kbps |
標準音質 | - | 最大320Kbps | 約96kbps | 192kbps ※3 | 上限128kbps |
高音質 | 256kbps | - | 160kbps | 320kbps | 上限256kbps |
高音質以上 |
ロスレス:最大24bit/48kHz ハイレゾロスレス:最大24bit/192kHz |
HD:平均850kbps Ultra HD:平均3,730kbps |
最高音質:320kbps | - | - |
※1 「高効率(低データ使用量)」音質選択時
※2 公式サイトに「データ通信節約」音質選択時のデータ量の記載無し
※3 「中音質」選択時
1曲の長さを5分と仮定し、それぞれの音楽ストリーミングサービスで1曲再生したときに発生するデータ通信量の目安を比較すると下記の通りです。
Apple Music | Amazon Music Unlimited | Spotify | LINE MUSIC | YouTube Music | |
低音質 | 2.4MB ※1 | 約12MB以下 ※2 | 約0.9MB | 約2.4MB | 1.8MB |
標準音質 | - | 約12MB | 約3.6MB | 約7.2MB ※3 | 4.8MB |
高音質 | 約10MB | - | 約6MB | 約12MB | 9.6MB |
高音質以上 |
ロスレス:約85MB ハイレゾロスレス:約340MB |
HD:約32MB Ultra HD:約140MB |
最高音質:約12MB | - | - |
※1 「高効率(低データ使用量)」音質選択時
※2 「データ通信節約」音質選択時
※3 「中音質」選択時
Apple Music
Apple Musicでストリーミング再生をする時は、「高効率(低データ使用量)」と「高音質(256kbps)」の2種類が選べます。 高効率時のデータ量は明記されていませんが、およそのデータ通信使用量が「高音質(256kbps)」の1/4となっているため、約64kbps程度であると思われます。
データ通信量が月3GBのプランを契約している場合、1曲の長さを5分間とすると1ヶ月で再生できる楽曲数は高効率音質で約1,250曲、高音質で約300曲です。1日あたりの再生可能数は、高効率音質で約40曲、高音質で約10曲となります。
尚、Apple Musicはロスレス(最大24bit/48kHz)とハイレゾロスレス(最大24bit/192kHz)というさらに高い音質も選択できます。データ通信量の上限が3GBの場合、ロスレスは1ヶ月で約35曲、ハイレゾロスレスは約9曲と、1ヶ月で再生できる楽曲数はかなり少なくなります。
Apple Musicを試してみるAmazon Music Unlimited
Amazon Music Unlimitedでは、「利用可能な最高音質」「HD(平均850kbps)/Ultra HD(平均3,730kbps)」「標準(最大320kbps)」の3つの音質から選択できます。また、モバイルデータ通信時は「データ通信節約」を加えた4つの音質から選択可能です。
「利用可能な最高音質」を選択すると、ネットワーク速度に合わせて自動的にオーディオ品質を調整します。「データ通信節約」を選択すると、品質を制限してデータの浪費を防ぎます。データ通信節約時のデータ量は明記されていませんが、標準音質以下のデータ量になると考えられます。
データ通信量の上限が月3GBのプランを契約している場合、1曲の長さを5分間とすると1ヶ月で再生できる楽曲数はUltra HDで約20曲、HDであれば約90曲、標準で約250曲です。データ通信節約音質では、標準音質よりも多くの楽曲を再生できるでしょう。 1日あたりの再生可能数は、Ultra HDで1曲未満、HDで約3曲、標準で約8曲となります。
Amazon Musicを始めるSpotify
Spotifyの音質は、「自動」「低音質(24kbps)」「標準音質(96kbps)」、「高音質(160kbps)」「最高音質(320kbps)」の5種類が選べます。
データ通信量の上限が月3GBのプランを契約している場合、1曲の長さを5分間とすると1ヶ月で再生できる楽曲数は低音質であれば約3,400曲、標準音質で約840曲、高音質で約500曲、最高音質で約250曲です。1日あたりに換算すると、低音質で約115曲、標準音質で約28曲、高音質で約17曲、最高音質で約8曲になります。
尚、最高音質は有料プランのSpotify Premiumでのみ選択できる音質ですので注意してください。
Spotifyを始めるLINE MUSIC
LINE MUSICの音質は、「低音質(64kbps)」「中音質(192kbps)」「高音質(320kbps)」の3種類が選べます。
データ通信量の上限が月3GBのプランを契約している場合、1ヶ月でストリーミング再生できる楽曲数は低音質で約1,250曲、中音質で約420曲、高音質で約250曲です。つまり、1日あたりの再生可能数は、低音質で約42曲、中音質で約14曲、高音質で約8曲が目安となります。
LINE MUSICを始めるYouTube Music
YouTube Musicの有料プランYouTube Music Premiumでは音質の設定ができ、「低音質(48kbps)」「標準(128kbps)」、「高音質(256kbps)」「常に高音質」の4種類が選べます。
常に高音質を選択すると接続状態が悪い時でも高音質を維持します。また、デフォルトで設定されているのは標準です。
データ通信量の上限が月3GBのプランを契約している場合、1ヶ月で再生できる楽曲数は低音質で約1,700曲、標準で約625曲、高音質で約320曲です。1日あたりの再生可能数に換算すると、低音質で約55曲、標準で約21曲、高音質で約11曲程度になります。
YouTube Musicを始める通信量を節約するポイント
音楽ストリーミングサービスの利用で消費する通信量を節約するポイントはくつかありますが、ここでは「音質を下げる」「Wi-Fi環境で利用する」「モバイルデータ通信時はストリーミング再生をしない設定を利用する」「Wi-Fi環境下で楽曲をダウンロードし、オフライン再生を利用する」「音楽ストリーミングサービス利用時は通信量を消費しないプランを契約する」の5つを紹介します。
音質を下げる
音楽ストリーミングサービスでストリーミング再生する際に発生する通信量を節約する1つ目の方法は、音質を下げることです。上記の通り、各種音楽ストリーミングサービスでは音質をユーザーが自分で設定することができ、音質が低ければ低いほど通信量を抑えることができます。
特に音質を気にしていない方や、ハイレベルな音質に対応するスピーカーやイヤホンを利用していない方は、標準以下の音質にしておくことがおすすめです。
Wi-Fi環境で利用する
音楽ストリーミングサービスでストリーミング再生する際に発生する通信量を節約する2つ目の方法は、Wi-Fi環境で利用することです。端末をWi-Fiに接続すれば、楽曲をどれだけストリーミング再生してもモバイルデータ通信は発生しません。自宅や職場、学校など長時間滞在する場所では基本的にWi-Fiにつないで利用するだけで、データ通信量を大きく抑えられます。
モバイルデータ通信時はストリーミング再生をしない設定を利用する
音楽ストリーミングサービスでストリーミング再生する際に発生する通信量を節約する3つ目の方法は、「モバイルデータ通信時はストリーミング再生をしない」設定を利用することです。各音楽ストリーミングサービスには、「Wi-Fi接続時のみ、ストリーミング再生を実行する」という設定があります。これをオンにしておくことで、Wi-Fiに接続されていない状態でうっかり多くの楽曲をストリーミング再生してしまうといったミスを防ぐことができます。
オフライン再生を利用する
音楽ストリーミングサービスでストリーミング再生する際に発生する通信量を節約する4つ目の方法は、オフライン再生を利用することです。各音楽ストリーミングサービスの有料プランを登録すると「楽曲のダウンロード」ならびに「楽曲のオフライン再生」が可能になります。
オフライン再生を利用するには、まず端末をWi-Fiにつなぎます。次に、再生したい楽曲をダウンロードし、保存します。Wi-Fiに接続できない環境にいる間は、ダウンロード済みの楽曲をオフライン再生しましょう。
尚、オフライン再生は有料プランでしか使えないことがほとんどです。音楽ストリーミングサービスの無料プランを利用している方は、こういった機能が利用できるか事前に確認してみてください。
音楽ストリーミングサービス利用時は通信量を消費しないプランを契約する
音楽ストリーミングサービスでストリーミング再生する際に発生する通信量を節約する5つ目の方法は、音楽ストリーミングサービス利用時は通信量を消費しないプランを契約することです。通信会社が提供する契約プランによっては、音楽ストリーミングサービスを利用した際に発生するデータ通信量は、月間のデータ通信量にカウントしないスマートフォンのプランを提供していることがあります。
どの通信会社がどのサービスを対象としているかはそれぞれ異なるため、これからスマートフォンを買い替える予定のある方、契約しているプランの変更を検討している方は、こういったプランについて調べてみてください。
音楽再生時の通信量を知り、節約しながら音楽を楽しもう
音楽ストリーミングサービスで楽曲をストリーミング再生すると、通信量がかかります。特に良い音質だとデータ通信量も大きくなるため、通信量を節約するためには音質を落としたり、Wi-Fiを利用したりといった工夫が必要です。契約しているプランによって月に使えるデータ通信量には制限があるため、なるべく節約してより多くの楽曲を楽しめるようにしましょう。
各サービスの料金や機能をもっと詳しく知りたい方はこちらをお読みください。