2016年はアニメ映画の<当たり年>だと言われており、『ズートピア』や『ファイディング・ドリー』、『ONE PIECE FILM GOLD』、『聲の形』など好調が続いています。なかでも、異例の大ヒットと言えばもう皆さんご存知、“新海誠”監督の最新作『君の名は。』ですね…!8月26日に公開となった今作は、すでに興行収入164億円を突破!これまでジブリ&ディズニーが占めていた日本のアニメ映画・興行収入ランキングの記録を大きく塗り替えました。
日本国内、アニメ映画興行収入ランキング (2016/10/23現在)
順位 |
タイトル |
公開年 |
|
1 |
千と千尋の神隠し(ジブリ) |
2001年 |
304億円 |
2 |
アナと雪の女王(ディズニー) |
2014年 |
254億円 |
3 |
ハウルの動く城(ジブリ) |
2004年 |
196億円 |
4 |
もののけ姫(ジブリ) |
1997年 |
193億円 |
5 |
君の名は。 |
2016年 |
164億円 |
6 |
崖の上のポニョ(ジブリ) |
2008年 |
155億円 |
7 |
風立ちぬ(ジブリ) |
2013年 |
120億円 |
8 |
ファインディング・ニモ(ディズニー) |
2003年 |
110億円 |
9 |
トイ・ストーリー3(ディズニー) |
2010年 |
108億円 |
10 |
モンスターズ・インク(ディズニー) |
2002年 |
93億円 |
『君の名は。』の物語は、田舎暮らしの女子高生と都会暮らしの男子高生がある日突然、ココロだけ“入れ替わってしまう”というところから幕を開けます。本来なら出会うハズのなかった二人の「距離」を越えた「繋がり」により、運命の歯車がどのように動いていくか…それがこの作品のキーポイント。さて、そんな映画の中で、もうひとつ大きな役割を担っているものがあります。それが、人気バンド“RADWIMPS”の音楽!彼らが手がけたのは“4曲”の主題歌と劇伴22曲。映画制作の初期段階から新海誠監督とRADWIMPSメンバーが綿密なやり取りを重ね、1年以上かけて完成したのだそうです。
そしてその4曲の主題歌は、歌ネットでも新たな歴史を作ってくれました。まず「前前前世 (movie ver.)」「なんでもないや (movie edit. + movie ver.)」「スパークル (movie ver.)」がミリオンリリックとして、「夢灯籠」がプラチナリリックとして歴代人気曲に認定。さらに歌詞アクセスランキングでは、デイリー&ウィークリーのTOP4を独占し、なんと9月と10月の月間ランキングでも上位4枠に『君の名は。』楽曲がランクインしたのです。1アーティストの楽曲が同時に4作も上位を占めるのは前人未踏です!
前前前世 (movie ver.)
ミリオンリリック 表示回数:2,682,406回
君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな笑い方をめがけて
やってきたんだよ
なんでもないや (movie edit. + movie ver.)
ミリオンリリック 表示回数:1,623,795回
時のかくれんぼ はぐれっこはもういやなんだ
なんでもないや やっぱりなんでもないや
今から行くよ
スパークル (movie ver.)
ミリオンリリック 表示回数:1,341,572回
互いの砂時計 眺めながらキスをしようよ
「さよなら」から一番 遠い
場所で待ち合わせよう
夢灯籠
プラチナリリック 表示回数:962,589回
5次元にからかわれて それでも君をみるよ
また「はじめまして」の合図を 決めよう
君の名を 今追いかけるよ
「RADWIMPSとのコラボレーションの中で彼らが作ってくれた音楽というものが、物語の形を少しずつ変えていったというのはあります。今回音楽はすごく大きな要素だったので、彼らの疾走感というものが物語に出ています。例えば主人公の2人がお互いにスマホでやりとりをするだけではなくて、体に何かを書くというコミュニケーションは最初の脚本では無かったんです。RADWIMPSからあがってきた曲を聴いていたら、勢い的にスマホだけじゃおさまらずもっと外側に刻み付けるような行為をやらないとこの絵に音楽が乗らないという気持ちにさせられて、シナリオが変わっていきました。
主題歌4曲全てがラブソング。いつもは、つい逃げがちな性格で、ここまでストレートに表現してしまうと恥ずかしさが出てしまい、別の方向性や受け止められ方を求めてしまうんです。だから「恋」をこんなに真っ正面に表現したこと自体、本当に珍しいこと。今回も最初はどこか無意識な逃げがあって、新海監督はその部分を見逃さなかった。「とにかくこの物語が貫こうとしているど真ん中を全力で歌って欲しい」と。だからこそ、踏み込めた。
このように、RADWIMPSが手がけた4曲の主題歌は、もはや物語に欠かせないピースとして映画の中で生きていたのだということがわかりますね。作品を観た方にはより伝わるかと思いますが、各曲が使われるシーンでは、歌詞のフレーズひとつひとつがまるで二人のセリフのような役割にもなっているんです。とくに、エンディングでかかる「なんでもないや (movie edit. + movie ver.)」の<時のかくれんぼ はぐれっこはもういやなんだ>という言葉は、まさに“時間”という距離のなかですれ違い続けた二人の心情をピタリと表しております。映画と音楽の至高の化学反応ですね…!
歴代アニメ映画主題歌ランキング
さらに、今回の特集では歴代【アニメ映画主題歌】の歌詞アクセスランキングも集計してみました!ここでも、トップ10内に『君の名は。』の楽曲が4曲すべてランクイン!また、記憶に新しいところですと、まず1位の「RPG」は、2011年のデビュー後からジワジワと人気上昇中だったセカオワの音楽を、一気にお茶の間へ届けるきっかけとなった名曲です。3位のKiroro「Best Friend」はもともと歌詞人気の高い楽曲でしたが、ディズニー/ピクサーの最新作に起用されたことでさらにアクセス数を伸ばしました。そして4位の「Let It Go 〜ありのままで〜」は、日本のみならず世界的な社会現象となった楽曲。
11位のケツメイシ「友よ〜この先もずっと…」や12位の秦基博「ひまわりの約束」は、デビュー後からすでに5年以上の音楽活動歴を重ねていた2組のアーティストを、さらに大きく飛躍させる代表作となりました。尚、タイアップの映画に注目してみると、クレヨンしんちゃん・NARUTO・ドラえもん・ONE PIECE・銀魂と、多くの方が名前を知っている人気アニメの劇場版がほとんどです。こうした、子どもから人気の映画主題歌に起用されることで、より幅広い世代に曲が広まり、結果、その年の大ヒット作になる可能性があるということですね…!
RADWIMPSは、歌ネットで3回目のブレイク!!
余談ですが情報番組『ワイドナショー』で、とある話題に対してダウンタウンの松本さんが、「関西芸人は大阪で1回売れて、東京に出てきてもう1回売れないといけないからキツイ」と言う話をされていました。さらに続けて「でも今考えてみると、それは関西芸人に限ったことではなくて、タレントは2回ぐらい売れないとアカン」と。それはきっとアーティストにも言えることなのかもしれません。つまり“RADWIMPS”も再燃したのです。しかも、彼らは歌ネットで2007年、2011年に年間総合ランキングの1位を獲得しているので、この2016年、2回どころか“3回目”の大ブレイクを果たしたことになります。
長年、「歌詞の良いアーティスト」として不動の人気を誇ってきたRADWIMPSですが、『君の名は。』という作品、新海誠という人物に出逢ったことで、新たな道に“踏み込む”ことができたのでしょう…!2016年、Mステに出演し地上波初演奏をしたことでも話題になった彼ら。来たる11月23日にはニューアルバムのリリースも控え、さらに現在、紅白の出演も濃厚だと言われております。一体どうなるのでしょうか…!新章をスタートさせた“RADWIMPS”から一層、目が離せませんね!
◆new album「人間開花」
2016年11月23日発売
初回限定盤(CD+DVD) UPCH-29241 ¥4,500+税
通常盤(CD) UPCH-20436 ¥3,000+税
◆NEW ALBUM「君の名は。」
2016年8月24日発売
初回限定盤(CD+DVD+BOOK) UPCH-29222 ¥6400+税
通常盤(CDのみ) UPCH-20423 ¥2700円+税
人間開花
君の名は。