![]() |
|
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
本作「COSMONAUT」は、メンバー4人が30代になって初のアルバムであることが作品の内容にも大きく影響していると思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | それはあると思います。30代になったときは、メンバーそれぞれ思うところがあって。僕ら4人は幼なじみでもあるし、これまでを振り返ったときに、どの景色にもお互いが存在しているんですよね。そうやって、共通の記憶や経験がすごく多いので、これだけの時間を一緒にいて、バンドをやって、いま生活をしているその事実にあらためて驚いたし、感動したし、切なくもなりました。そのなかに音楽があったので、必然的に曲の内容にも影響していると思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
必然として“振り返る”という行為が今回のアルバムの大きな出発点になっていますよね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | うん、出発点はそこでしたね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
幼少期の記憶を起点に、いまや未来を見つめることで、音楽としてまた新たに力強い普遍性を得ていると思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | ありがとうございます。メンバー全員が同い年で、同じ時期に20代から30代に突入して、実際そういうことをみんなで話し合ったりする機会が増えていって。それで、どんどん切なくなっていったんですよね(苦笑)。よく、小さいころから大人に“「今」を大事にしなさい”って言われ続けていたと思うんですけど、いまそういう状況になってみると、それってホントにすごいことだなと思って。大人の言っていたことはホントだったなって。まずは、そういうことを曲に表現しなきゃいけなかったんだといまにして思いますね。だから、その手の曲は、曲が生まれていった時系列の最初のほうに固まっていますね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
そこに視点をシフトしたからこそ書けたことは何だと思いますか? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | まず、懐古主義っていうんですかね、過去を懐かしんで、“あのころはよかった”っていうのとはまったく違うモードなんですよね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
むしろ真逆ですよね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | そうそう。いまを生きるためにちゃんと僕らはそれを確認しなきゃいけなかったことがあって。で、逆の言い方をすると、確認できたから、いまに還元されて、そこから見えた未来みたいなものもあって。結局僕らメンバーはとことん一緒にいるし、このバンドでやるべき音楽は、バンドのいまを象徴した曲を出すことなんだなって思いました。あらためて、そういうことを認識しましたね。「宇宙飛行士への手紙」とか「ウェザーリポート」とかそういう曲ですね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
あと「透明飛行船」もまさにそういう曲ですよね。疾駆するサウンドとともに幼少の記憶がフラッシュバックしながら、いまを生きる主人公を鼓舞するような歌になっている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | そうですね。人間という生き物として、結局本質的なことは本能的なものであるはずだから、過去にあったことも必ずいまに——まあ、これは歌詞のなかで唄っていることなので置いておきましょう(笑)。でも、ホントにそうやって過去を基軸にして、何かを唄っていくという手法の歌詞は、最初の数曲に必要でした。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
そのあたりについて3人はどうですか? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
直井 | 藤くんがいま話した思いは、このアルバム制作期間中に20代から30代になって、曲が上がってくるたびにどんどん色濃くなっていって。このアルバムのなかで最後にできた曲は、1曲目の「三ツ星カルテット」だったんですけど、もう、この曲でマックスみたいな(笑) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
この「三ツ星カルテット」という曲は、まさにBUMP OF CHICKENというバンドそのものを描いたような曲ですよね。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
直井 | そうですね。だから、まいっちゃいましたね(笑)。どんどん色濃くなっていった4人の気持ちが、最後にこの曲で明確に表れたと思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
増川 | 30歳というターニングポイントも、自分ひとりだったら性格的に“こんなものかな”程度って終わっていたかもしれないと思うんです。でも、同じタイミングで、同じ気持ちを共有できる3人がいることで、思いも3倍になっていくというか。いろいろな“かけがえのないこと”について、この4人で話せるのはホントに幸せだと思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
升 | このアルバムのなかに入っている曲は、藤くんが20代のときに書いた曲もあるんですけど、実際にレコーディングしたのは全曲30歳になってからで。そういうことが作品にも色濃く影響していると思います。4人でずっと一緒にいることがすごく大きなことでもあるし、重いことでもあって。バンドのメンバーとして、その年月にちゃんと責任を取らなきゃいけないというか。そういう意味でも僕は今回のレコーディングで自分の足りないところを突きつけられたし、葛藤もあったし、プレイヤーとしてもいろいろな感情が音に出ていると思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
「COSMONAUT」(=宇宙飛行士)というタイトルはどんな思いでつけましたか? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤原 | 「宇宙飛行士への手紙」という曲が先行シングルとしてリリースされましたけど、この言葉は僕の頭のなかでずいぶん前——アルバム2作品前(「orbital period」)くらいから存在していたものだったんです。個人的には大きな思いが詰まっている言葉というか……。それは全然説明できない思いでもあるんですけど、きっと今回のアルバムのタイトルになるんだろうなとは漠然と思っていて。でも、アルバムの制作期間にできたある1曲にタイトルをつけることになって、そうしたら“宇宙飛行士への手紙”という頭のなかにずっとしまってあった言葉がポロッと出てきて。“もう、これしかないわ”と思ったのが「宇宙飛行士への手紙」という曲になったんです。なので、アルバムには“宇宙飛行士”という意味をもつ別の言葉をつけようと思って、「ASTRONAUT」と「COSMONAUT」というふたつのタイトルが候補に上がって。そこからみんなで話し合って、“ASTRO”より“COSMO”のほうが単語的にほかにも魅力的な意味合いがあるということで、「COSMONAUT」になりました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(取材・文/三宅正一) |
![]() |
<収録曲> 01. 三ツ星カルテット 02. R.I.P. 03. ウェザーリポート 04. 分別奮闘記 05. モーターサイクル 06. 透明飛行船 07. 魔法の料理 〜君から君へ〜 08. HAPPY 09. 66号線 10. セントエルモの火 11. angel fall 12. 宇宙飛行士への手紙 13. イノセント 14. beautiful glider |
|
![]() |
![]() TOY’S FACTORY |
![]() |
|||||||
|
![]() |