1位は、KAT-TUNの最新シングル曲。彼らのシングルは、高セールスの割に歌詞検索数では上位にならないこともままあるが、本作では着うたも歌詞検索でも上位で、従来の彼らと比べ発売種類が多い訳でもないのにCDセールスも伸びている。このことからも、楽曲のチカラで支持されていると言えよう。
2位は、嵐のほぼ1年前のシングルがランクイン。デビュー曲「A・RA・SHI」から、この時点での最新シングル「マイガール」まで今回のTOP20のうち半数の10作が嵐というのも驚異的だ。特に、この月は、「日本ゴールドディスク大賞」にて"史上初の10冠"(最多売上アーティスト、最多売上シングル、ヒット・シングル4作、最多売上&ヒット・アルバム、ヒットDVD2作)と大きく報道されたことも拍車をかけた。このことから、単なるタレントとしての人気ではないことも納得。
嵐に次いで多数ランクインしているのが、4位、8位、17位の東方神起。現在、表立った活動はしていないものの、最新のベスト・アルバムが既に50万枚級のヒットとなっており、これは、17位で『ワンピース』主題歌「Share The World」以降、アイドル的人気から楽曲人気にも広がったことが大きく影響しているのだろう。ちなみに、4位の「With All My Heart」は、メンバー自選曲を集めた2CD+DVDタイプにのみ収録されているのでご注意を。
5位のサーターアンダギーは、『クイズ!ヘキサゴン』発のユニット。07年のPabo以来、4年連続ヒットを飛ばしてきた同番組だが、今年は羞恥心、遊助級の大ヒットが出るか。新顔では、19位に映画や舞台でも活躍するR&Bシンガー松下優也がランクイン。本作のヒットは人気アニメ『デュラララ!!』主題歌による所が大きいが、日本では数少ない"歌って踊れる"男性アーティストなので、今後も注目したい。
ここまで見て分かるように、上位のうち、男性は多数なのに対し、女性はベッキー♪#とAKB48のたった2組しかいない。前月も述べたが、AKB48の楽曲は着実に浸透しているものの、他の女性アイドルも多数ランクインしているCDランキングとは大きく矛盾しているように見える。だが、これは決して集計ミスではない(笑)。つまり、女性アイドルの多くが、発売日や休日に握手会を強行してCDランキングでTOP10入りを死守(しかも、発売2週目に急落)しても、その楽曲が殆ど気にされていないという事実を表しているのだ。この点が、男性タレントとの大きな違いだろう。
最近は、女性アイドルが活況と言われるが、80年代の松田聖子、中森明菜、90年代のSPEED、00年代のPerfumeのように、"歌が支持される"女性アイドルが、今後増えない限り、本当の復活とは言えないだろう。その指標としても、この歌詞検索ランキングは重要な意味を持つ。