テーマ1位は前月度の"数字うた"でも1位だった「何かひとつ feat.JAY'ED & 若旦那」。ドラマ終了後も、ドラマから独立して強く支持されているようだ。そして、2位から6位を見ると、AKB48、ファンモン、EXILE、いきものがかりの人気曲がズラリ。…しかし、この面子、応援ソングという括りじゃなくても、例えば"人気着うたTOP10"でも、"人気カラオケランキング"でも、"人気ベストアルバム"でも、上位となるアーティストばかり。これは、長引く不況ムードの中、着うたやベストアルバムなどで幅広く大衆に支持されるのは応援ソングをしっかりと届けることが出来る人達ということを表わしており、特に今月は震災の影響も有り、それが如実に出ていると思われる。
また、前月に比べ急上昇した楽曲としては7位のTEE「ベイビー・アイラブユー」が顕著。これは、同作が2月末にUSENチャートで記録的なロングセラーとなったニュースの影響もあるが、それ以上に震災で連絡が頻繁には取れず、大切な人と離れて不安な人達をずっと励まし続けていることが、1ヶ月間ずっと上位にある要因なのかもしれない。
なお、興味深いことに、応援ソングの歌い手の年齢を調べてみると、30代はEXILEのATSUSHIが30才、ファンキー加藤が32才、若旦那が34才の3人のみでいずれも30代前半、10代はAKB48のメンバーにいるくらい、残りは全員20代ということになる。つまり、応援ソングは、あまりに上の立場である40代以上でも、人生をさほど歩んでいないであろう10代でもダメで、少し先で手を差し伸べてくれる20代が最適なのかもしれない。そう考えると、15位の桑田佳祐(55才)は驚異的な存在だということがよく分かる。
以上のように、応援ソングは一見J-POPに溢れているようで、発信する側の年代が限られていたり、男性中心だったりと、意外とアーティストの幅が狭いことが分かった。しかし、それと同時に現在のトップ・アーティストになる為の必須条件でもあるようだ。今年いっぱいは"頑張ろう日本"と叫ばれるだろうから、そんな中で新たな応援ソングを歌う、新たなカリスマ性の強いアーティストが現れることを期待したい。