1位、2位は4月クールのドラマ『ラスト・シンデレラ』の主題歌&挿入歌が独占。ドラマ自体は篠原涼子のエロオヤジ発言や、三浦春馬の過剰なヌード露出から30代以上の女性に大人気だったが、楽曲自体はそれを飛び越えて若い層にまで人気が広がっている。確かに、どちらの曲もサビのメロディーだけでも口ずさめる人が多いような気がしたし、実際にどちらも配信チャートでロングヒットとなった。
そして、3位、5位、9位、12位、14位にSEKAI NO OWARIの楽曲がランクイン。この1年間で確実にどの楽曲の人気も伸びており、前年7月にリリースされたアルバム『ENTERTAINMENT』もTOP100内を推移するロングセラーぶり、次のアルバムでは20万枚を突破するのも確実だろう。
男女別で見ると、男性ボーカルが別格のSEKAI NO OWARIに加え、GENERATIONS、じん、クリープハイプの4組、女性ボーカルのアーティストがケラケラ、Rihwa、LUHICA、きゃりーぱみゅぱみゅ、Noaの5組と男女どちらも若手が育っていることが分かる。しかも、男性ボーカルだけ見ても、ダンスパフォーマーのGENERATIONS、ニコニコ動画発で小説も手がけるじん、ファンも本人達もちょっとイカれた加減が話題のクリープハイプ(最新人気曲は「ラブホテル」!)とタイプは様々で、それぞれに魅力的。女性ソロが4組とやや偏っているようだが、こちらも、シンガーソングライターのRihwa、声だけで強烈な個性を放つLUHICA、ファッションも音楽も世界照準で発信し続けるきゃりーぱみゅぱみゅ、そしてヒップホップ系アーティストとも相性の良い甘く切ない声のNoaと非常に多彩だ。というか、どのメディアも女性アイドルグループばかりを大きく取り上げているが(そのビジュアルやトークでの華やかさを見聞きすれば、それも納得するが)、音楽の魅力で勝負した場合には、このように女性ソロも非常に頑張っている、ということをもっともっと各メディアもリスナーも認識していただければと強く願う。
以上の結果を見れば、「新人は何も育っていない」という認識は誤りだということが分かっていただけるだろう。とはいえ、最近の曲に対して「これ、いいよね〜」という会話をしない人が多くなったのは、私も感じている。リスナーの皆さんも、SNSの読み書きで忙しいなか恐縮だが、その合間に見つけた若手の最近の楽曲からも自分のお気に入りを拡散して欲しい。それが、新人をひいては音楽業界を助けることに確実に繋がっている気がするので。