さて、ランキングを見てみると、1位はセカオワの昨年のシングル「RPG」。メンバーのSaoriがピアノ担当で、メディアでもFukaseとの兄妹ゲンカのような本音の言い合いが面白く、また作品に美的センスが加わっているのも彼女の影響が大きいはず。彼らの人気は前作「RPG」のロングヒットに留まらず、2作前の「眠り姫」が6位、3作前の「スターライトパレード」が7位、その他既発売アルバムやシングルのカップリング曲、さらにインディーズ期の楽曲までなんとTOP20に12作もランクイン。実はセカオワはそれだけ後追いファンが続々出ているのであり、これはCDや配信チャートよりも明確に出ている歌詞検索ならではのビビッドな傾向だ。
バンドに紅一点で女性が加わった人気グループといえば、8位のHYや、00年代にヒットの多いAqua Timez、さらにそれ以前となると78年デビューのサザンオールスターズ(10位)となるだろうか。特にHYもサザンも男女どちらのメインボーカル曲にも代表曲があることも、バンド人気の幅広さに大いに影響していることだろう。また、グループ内の下ネタにも動じない(微笑)ほどのマイペースなキャラが、その紅一点メンバーにあったことも、バンドの延命化に繋がっているのかもしれない。
15位のいきものがかりと、16位のケラケラは89年デビュー当時のDREAMS COME TUREよろしく“一姫二太郎”型(本来は、第一子が女子、第二子が男子だと育てやすいという意味ですが)で、こちらも女性ボーカルが“メンバーとの恋愛は有り得ない!(笑)”と一蹴することで、男女幅広くファンを獲得する要因にもなっているのだろう。これとは対照的に、5年ほど前人気曲が大量にあった男女コラボ曲や男女デュエット曲が今回のTOP20に皆無なのも、恋愛を強く意識しすぎるからかなと、ふと思った。
以上のように、男女混成グループの人気は、現在の男女間の関係に加え、70年代や80年代デビューの人気グループの現役としての活躍も関係していそうだ。本チャート以外にも、アニメ主題歌「オトノナルホウヘ」でメジャーデビューしたGoose house、男女ツインボーカルで注目されるHello Sleepwalkersなども人気上昇中。今年後半には、男女混成グループがますます増えているのではと、ここで予想しておきたい(当たった時は褒めてください(笑))。