今回総合TOP200に入った楽曲から抽出してみると、表に示した11曲のみとなった。つまり、この11曲以外の人気曲は、女性が参加していても、SEKAI NO OWARIやAAAのような男女コラボだったり、女性ソロ曲だったりで、あとはすべて男性曲なのだ。勿論、女性ユニットが楽曲を発表するということは、全体で見せるダンスのフォーメーションや、もっと下世話に言えばキャバクラ同様に「ど・の・子・が・好・み・か・な」(笑)みたいなビジュアル面の楽しみ方も大いにあろうが、歌詞が支持されている楽曲の少なさにあらためて驚かされる。
とはいえテーマ別順位を詳細に見ると、いろんなタイプが挙がっていて面白い。1位は少女時代のベスト盤のリード曲。10年〜11年歌詞人気曲が多数見られたK-POPだが、今月は少女時代のみ。アーティスト別の人気でも、他に2NE1が挙がるのみとなった。最も目立つのが、2位、6位、7位、8位、10位とランキングの大半を占めるEXILE TRIBEの面々。彼女たちは、竹島問題以降K-POPの日本での活動が控え目になった時期以降、一気にブレイクしてきたが、ダンスのみならず歌詞検索やカラオケでもしっかり支持されているのも大きな強みだろう。そして、『アナと雪の女王』関連曲も4位と5位にランクイン。これは、6月以降、神田沙也加がTVにて歌を披露したことも大きい。
CDランキングでは大いに目立っている女性アイドルグループも、ここでは11位の乃木坂46のみ。全楽曲の歌詞閲覧数を合計したアーティスト別で見ても、乃木坂46並みに今月多くなっているのはAKB48、Perfume、ももいろクローバーZくらいで、他のグループの名前は見られない。いかに、彼女達のCDヒットには歌詞以外の魅力が占めているかが示されている。なお、AKB48や乃木坂46については握手券商法ばかりが取り上げられがちなだが、歌詞だけでもそれなりに支持されているという見方もできる。
こういう事を書いていると、「どんな売れ方であれ、たとえ曲が聞かれていなくてもヒットすればそれで良いじゃないか」とご意見をいただくこともあるが、ピンク・レディーやキャンディーズ、Wink、モーニング娘。、Perfumeなど、歴史を刻んできた女性アイドルグループは、いずれも歌詞にインパクトのある代表曲が思い浮かぶように、やはり楽曲を広めるということが大きな武器となっているはずだ。コアな存在となっている82年デビューのスターボー(デビュー当時性別不明(笑))ですら、松本隆作詞、細野晴臣作曲の「ハートブレイク太陽族」があったことが、後世にまで語り継がれる存在となった大きな要因と言えよう。その意味でも、アイドルグループに限らず、女性ユニットだからこそ、華やかさに楽曲のチカラを持つことで、鬼に金棒の存在のヒット曲が今後出ることを期待していたい。