テーマ1位は、フジテレビ系木曜10時ドラマ枠の前クール『ディア・シスター』主題歌の「Happiness」。3位は、同じ枠の今クール『問題のあるレストラン』主題歌の「もんだいガール」。このフジ木10枠は、それ以前も『昼顔』主題歌の「他人の関係 feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS」、『続・最後から二番目の恋』主題歌の「Hello new me」など、ドラマの内容と主題歌が上手くリンクして話題を集めている。(余談ではあるが、自らの言われのないゴシップを逆手にとってネタにした「もんだいガール」はなかなかの快作。あらためて中田ヤスタカの才能に脱帽。)
この女性2曲に挟まれているのが、チャン・グンソクの失恋バラードだ。歌詞をCD発売より先行で公開した結果、コアなファンの間で大きな話題となった結果、今回の好スタートとなった。これまで前衛的なロックが多く、歌詞について語られることが少なかった彼だが、古くからの韓流ファンも虜にしてしまいそうな切ない内容の本作で新境地となるか期待。他にも、7位のナオト・インティライミも、4月発売ながら片想いのピュアな気持ちを綴った歌詞が話題となっており、更なるブレイクとなるのか楽しみだ。
1位から次点までの全16アーティストを見ると、男性ソロが3組であとはすべて女性となっている。TVなどビジュアル的にはグループ・アーティストの方が(とりわけ女性グループの方が)華やかで目立つが、歌詞を含め音楽面に限定すると、ソロ・アーティストの人気曲も多数あり、その中で女性が多くなるのは、恋人や友達を綴った楽曲が、より共感しやすいからではないだろうか。特に、女性の場合は、4位erica、8位ももちひろこ、そしてフジ月9主題歌でこの後のヒット確実の次点chay(歌詞表示から10日間の為、この順位だが1か月フルでは5位レベル)とネクスト・ブレイク組も多数出ているので、日頃から歌詞ランキングをチェックして、注目の女性ソロを見つけてみるのも面白いだろう。
以上のように、ソロ・アーティストに着目すると、グループのような明解な話題性が少ない分、先行公開された歌詞の口コミや、AIや阿部真央のように長く支持されている佳曲、さらには4位や15位のように「LINE歌詞ドッキリ」で再注目された話題曲など、ファンが歌詞を楽しんでいる様子がより顕著になっているようだ。今後も音楽の魅力で勝負するアーティストを紹介していきたい。