達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、今井美樹をはじめ、中山美穂、坂本真綾など女性アーティスト中心に数多くの作品を発表している「岩里祐穂」さんをゲストにお招き致しました。女性のもつ優しさや、繊細な情感を巧みに表現できる数少ない作詞家さんで、最近では小説の著書やエッセイストとしても活躍の場を広げています。
そんな「言葉の達人」に、貴重なお話をお聞きしました。
今井美樹/「PIECE OF MY WISH 」「瞳がほほえむから」「Miss You」
中山美穂/「幸せになるために」
上戸彩/「MESSAGE」
アン・ルイス/「夜に傷ついて」
松たか子/「Kisses」
夏川りみ/「時」「夏河〜シアホー」
深田恭子/「How?」
唐沢美帆/「ライヴ」
坂本真綾/「プラチナ」「ヘミソフィア」「tune the rainbow」
白鳥英美子/「もう一度」など多数。
生身の人間の思いや感情を、音楽の中に息づかせてゆくこと。それが作詞だと思っています。誰もが感じているけれど、誰も気づいていない何か。それらを拾い集め、積み上げてゆく、根気のいる深い作業ではないでしょうか。
詞を書く時に、私が大切にしていることは二つ。「核をつかむこと」と「常に新しくあること」です。どんなタイプの詞にも、優れたものにはかならず核があり、それをつかみ取る、より強い握力が欲しい。それが私の永遠の願いです。
布袋寅泰氏の曲に初めて詞をつけた、記念すべき大好きな作品です。
ロック的なアプローチでありながら繊細な描写がしたい、という意欲のもと、書いた記憶があります。「flow into space」というアルバムの1曲ですが、それ以後、多くの今井美樹作品での布袋さんとの楽曲づくりは、音楽を愛することを、毎回、私に教えてくれます。
1957年新潟市生まれ。中央大学文学部史学科卒業。
シンガーソングライターとして活動後、1983年堀ちえみ「さよならの物語」で作詞家デビュー。作曲家・三浦一年氏との共作名である“岩里未央”として、当初作曲活動も行なった。1988年より作詞に専念。今井美樹、中山美穂、坂本真綾、上戸彩など、女性アーティストを中心に数多くの作品を送りだす。その他、小説などの著書も。また、インテリア愛好家としても知られ、暮らしについての初のエッセイ『いいかげんに片づけて美しく暮らす』を刊行したばかり。
(TBSドラマ「女系家族」主題歌)
TOCT-4888 ¥1,050 (tax in)
2005.7.27 Release
(TX「創聖のアクエリオン」主題歌)
VICL-35792 ¥1,050(tax in)
2005.4.27 Release
(テレビ朝日「魔法戦隊マジレンジャー」主題歌)
シングル/COCC-15741¥1,260(tax in)
2005.3.2 Release
■新刊情報
『いいかげんに片づけて美しく暮らす』
(集英社be文庫 2005年6月刊行)
【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー