言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、音楽評論家として多数の音楽雑誌にレギュラー頁を持ち、ヒット曲の作詞家としてはもちろんのこと、ディズニー・アニメ『美女と野獣』などの日本語訳詞(日本語吹き替え版)やミュージカルの日本語訳詞家としても活躍され、また著書も数多く、『幸福へのパラダイム』では日本文芸大賞ノンフィクション賞を受賞。さらに近年ではボランティア活動や環境問題等で、グローバルに行動されているお馴染みの才女「湯川れい子」さんに、貴重なお話をお聞きしました。

湯川れい子

代表作

ランナウェイ」/シャネルズ
センチメンタル・ジャーニー」/松本伊代
恋におちて-Fall in Love」/小林明子
六本木心中」/アンルイス
火の鳥」/中島美嘉
など多数。

作詞論

色、匂い、情景、動き、時代の息吹が感じられること。
特に色とかドラマ、動きが見えることを意識。
洋楽の世界で仕事をしてきたので、言葉のリズムを大切にしている。

湯川さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
ラジオ日本(当時のラジオ関東)でDJをしていた番組のアシスタントの女の子がバイリンガルで、突然英語の歌をアメリカのメジャー・レーベル名で出すことになり、作詞を依頼されて英語の歌詞を書いたのが大ヒット。エミー・ジャクソンの「涙の太陽 / CRYING IN THE STORM」。
Q:
プロ、初作品について
A:
「涙の太陽」エミー・ジャクソンを青山ミチがカバーすることになり、日本語詞を書く。のち安西マリア、田中美奈子、メロン記念日、などで、リバイバル・ヒット。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
中森明菜(もう一度!)
氷川きよし
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
「月のワルツ」諌山実生
「ロング・バージョン」稲垣潤一(実際は、とても売れたのですが、地味な歌なので)
「LA BOHEME(ラ・ボエーム)」中森明菜
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
ずっと純粋詩が好きで、中学時代から書き溜めた詩が、ノートに10冊以上。
たまたま歌の詩を頼まれたので、ただ人の歌を評論しているよりも楽しそうだから。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
オートクチュールの世界なので、メロディーに合わせて言葉を選ぶ練習を。
ボキャブラリーを増やす努力が必要なので、本を沢山読んで。
歌詞を見る 六本木心中 アンルイス

確かN・Yに行く深夜便の中で、NOBODYさんのメロディーを聞きながら作詞。アルバムの中の1曲だったので自由に書かせて貰えた。アン・ルイスのイメージというより、シンディー・ローパーのイメージが頭の中にあった。

■私の好きなあのフレーズ
「長い睫がひわいね、貴方」
「女ですもの泣きはしない」

PROFILE

東京都目黒で生まれ、山形県米沢で育つ。
昭和35年、ジャズ専門誌『スウィング・ジャーナル』への投稿が認められ、ジャズ評論家としてデビュー。その後、17年間に渡って続いた『全米TOP40』(現ラジオ日本)を始めとするラジオのDJ、また、早くからエルヴィス・プレスリーやビートルズを日本に広めるなど、独自の視点によるポップスの評論・解説を手がけ、世に国内外の音楽シーンを紹介し続け、今に至る。作詞家として『涙の太陽』『ランナウェイ』『六本木心中』など数多くのヒット曲を世に送り出し、「FNS歌謡祭音楽大賞最優秀作詞賞」「JASRAC賞」「オリコン トップディスク賞作詞賞」「リサーチ・ゴールデンディスク作詞賞」や、各レコード会社のプラチナ・ディスク、ゴールド・ディスクを数多く受賞。

◇文化活動として…
日本音楽著作権協会 評議員・理事・会長代行
日本作詩家協会 理事・副会長
文部科学省中央教育審議会委員
文化庁芸術選奨 審査員
など、他にも数多くの活動を行っている。

◇オフィシャルサイト

[CDリリース情報]

『ゴスペラッツ』 ゴスペラッツ

ESCL-2812 ¥3,000 (tax in)
2006.04.19 Release
(エピックレコード)
M1:ハリケーン
M2:まさか赤坂
M6:Valentine Kiss

■出版情報
『湯川れい子のロック50年』
(シンコーミュージック・エンタテイメント)
音楽評論家生活45年、作詞家生活40年を記念して

『音楽力』
(海竜社)
音楽療法にも深く関わりを持ち、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏との対論集

【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー