達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、常に歌い手・聴き手を念頭に置きながら、「あなたのKissを数えましょう〜You were mine〜」などのヒット曲を世に送り出し、英詩、訳詞も手がけるなどジャンルを問わず幅広く活躍されている「高柳恋」さんをゲストにお迎え致しました。
「Stormy Town」/SMAP
「月下の獣達」/アン・ルイス
「初愛」/郷ひろみ
「あなたのかけら」/華原朋美
「Sad Song」/Tina
「エンゼルフィッシュは眠らない」/大橋純子
「STAND」/Skoop On Somebody
「あなたのキスを数えましょう 〜You were mine〜」/小柳ゆき
その他、多数。
作詞家が書く詞は人のためのものです。それを歌うヴォーカリストのためのものであり、それを聴くファンのためのものです。決して自分のためのものではありません。それは自己表現でもなければ芸術でも、文学でもない。このことをいつも忘れないようにしています。ちょっと油断するとすぐに、ひとりよがりで傲慢な作品を生んでしまいます。人のためにどれだけ慎重に真剣になれるか、それが作詞家が書く詞のすべてだと思います。
TBSのドラマ、「キッズ・ウォー」の主題歌になりました。二年前の夏休みにやっていた、お昼の連続ドラマです。友人が、アマチュアの書道の作品展に行ったら、この詞が縦書きで出品してあったそうです。携帯電話のカメラで撮影して、後に見せてくれました。嬉しかったです。
1958年3月生まれ。
学生時代、フォークソング・ブームに影響を受けて、ボブ・ディランやポール・サイモン、ジャニス・ジョップリンの詞を個人的に和訳していたのが下地を作ったのかもしれない。
舞台大道具から1985年作詞家に転身。
以降、ジャンルを問わず幅広く、アーティストに詞を提供。アニメの挿入歌やCMソングなども多数。
【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー