言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介していくこのコーナー。
今回は、“諸岡菜穂子”としてSony Recordsから歌手デビューされ、その後作詞家としても活動。中島美嘉、青山テルマ、Crystal Kayへの提供のほか、タレントとしてもご活躍されている「MONA」さんをゲストにお迎え致しました。

MONA

代表作

SAKURA~花霞~」/中島美嘉
Believe」/青山テルマ
Last Kiss」/Crystal Kay
「あの日の未来で」(PLAYZONE2009 太陽からの手紙)
その他多数。

作詞論

一番は、歌い手さんが心地よく歌えるようにと考えます。
違和感なく入っていける世界観になっているか、歌いやすく響きやすい
言葉選びをできているか、など。
あとは、なるべく情景が見えるもので、時代性と普遍性をそなえたもの
を作れればと思っています。

MONAさんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
私自身がかつて歌手だったので、その時かと。
でも、思えば小学校の帰り道、将来自分が歌手になったらこういう歌詞を歌ったら良いと思う!などと考えていたので、その頃から無意識に志していたのかもしれません。
Q:
プロ、初作品について
A:
自分以外の方へ初めて提供したのは、インディーズの女性歌手でした。知り合いを通じていくつかのコンペに出し初め、落選しまくっている頃だったのでとても嬉しかったです。その後、メジャーで最初に提供させて頂いたのは、クリスタル・ケイさんで、彼女には是非歌詞を書きたいと思っていたので、1コーラスのみご本人が歌ったプリプロの音源をメールで頂いた時には、パソコンの前で一人じゅわーーーっと感動ました。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
その時代を感じさせてくれるアーティストやアイドル。
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
「落書き」 天宮小百合(牧島有希)
「ときめきメモリアル」のアニメ版、主人公キャラクターソングの1つなのですが、学園モノと言うことをかなり楽しんで書きました。好きな人の瞳から目を逸らした瞬間、そこにいつか誰かが書いた「アイシテル」という古ぼけた落書きを見つけて・・・という場面など。女性の色んな時期の心の機微を描きたいのですが、制服を着ている時代のものは一層妄想全開になってしまうようです。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
言葉や歌で表現することが好きだから。
詩を書くだけではなく、喋る仕事もしていますし、文章を書くこともしています。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
私がアドバイスと言うのもおこがましいのですが、
とりあえず、やっちゃえばいいと思います。
そうすれば、見るべきものが見えるのでは。
歌詞を見る SAKURA〜花霞〜 中島美嘉

しっとりとしたバラードで、桜の季節、母への愛と別れ、と言うキーワードが設けられていました。メロディにのせられる言葉の数も少なめだったので、和歌を書くように日本的な情景を描ければと考えました。具体的にこの主人公の住んでいる街を長崎に決めたりしているうち、1万字くらいの短編小説を書いてしまっていました。

■私の好きなあのフレーズ
「手を振れるほど
無邪気か 大人ならば
泣かせたりしないのに」

PROFILE

MONA

福岡県大牟田市出身。中央大学総合政策学部卒。
1991年に諸岡菜穂子としてSony Recordsからデビュー。
アイドル、俳優、ラジオパーソナリティなどを経て、大学へ進学。
現在、TBS系「世界ふしぎ発見!」ミステリーハンター・諸岡なほ子として
世界の僻地からクイズを出しながら、作詞家MONAとしても活動中。

■Blog :「旅の途中のスウィートホーム

[CDリリース情報]

Tiara
「時をとめてfeat.WISE」

CRCP-10269 ¥1,200 (tax in)
2011.7.6 Release
M-3: 「be with you」

【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー