言葉の達人

SAKUSHIKA

　達人たちは１曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。 「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介して行くこのコーナー。
　今回は、JUJU『また明日...』『YOU』『sign』や酒井法子『碧いうさぎ』などの歌ネット歴代人気曲をはじめ、数々のアーティストの作詞を手がけている「牧穂エミ」さんをゲストにお迎え致しました。

代表作

「また明日...」「YOU」「sign」／JUJU
「碧いうさぎ」／酒井法子
「はなさない！」／嵐
「No Control」／KinKi Kids
「この地球が果てるまで」「あなたの笑顔待ってる」「KYUN」／佳苗
「少年」「見えない灼熱」「HOWLING」／宇都宮隆
「○(マル)あげよう」／NO PLAN
「バカップル」／DROPS
…他

作曲論

書きながら・あるいは書き終えたあと、全体像を何度も客観視するように心掛けています。『第三者として共感できるか？』を忘れてしまうことが、何より怖いなと思っているので。

しほりさんに伺いました。
Q：
作詞家になったきっかけは？
A：

当時所属させて戴いていた事務所の、スタッフさんのアイディアで、作詞コンペに参加させて戴いたのがキッカケです。

Q：
プロ、初作品について
A：

酒井法子さんの「碧いうさぎ」が初めての作詞だったのですが、テレビで自分の名前の表記を見るたびに、不思議な気持ちになったのを、今でも憶えています。

Q：
作品を提供したいアーティスト
A：

数え切れない程にいらっしゃるのですが、普段はご自分で書かれているアーティストさんに、提供させて戴く機会があったらな…とか、今まで経験のない、演歌の作詞にも挑戦させて戴けたらな…とかとか。

Q：
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A：

作り手としては、どの曲も愛おしいです。

Q：
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A：

自分で選んだワケではなく、気付いたら いつの間にか生業になっていました。

Q：
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A：

誰かと話す時も、テレビから流れてくるトークも、もちろん世に出ている歌詞や小説・映画…etc、たくさんの会話(文章)の中の、「行間を読む」事を、私自身は習慣にしています。声や文字には表されていない、様々な心の声を想像することで、1人でも多くの方に想像を膨らませて戴ける「歌詞の行間」を、作れそうな気がするので。

歌詞を見る

アルバム「YOU」のタイトル曲が、後にシングルカットされた楽曲です。何度 書き直しを経てもOKを戴けず、結局レコーディング当日になってしまい、プロデューサーさんとの電話でのやり取りの後ろで、既にJUJUさんが この曲のレコーディングをされているのが聞こえてきて、冷や汗モノでした。

■私の好きなあのフレーズ

それでも人は　弱くて　すれ違う日も きっと来るね
ワガママを　ぶつけたり　愛されたかったり
解り合っていても　心の声は　見つけにくくて

PROFILE

牧穂エミEmi Makiho

1980年代後半から、数々のアーティストのライブやレコーディングにコーラスとして参加。
1993年に作曲家としてデビューののち、1995年に「碧いうさぎ」で作詞家デビュー。

【これまで登場した作詞家さん】