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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
17歳の時に、友人が自分で作詞作曲した歌をギターを弾きながら歌っていたのを聴いて、私もやってみたい!と思い、はじめました。当時は、日記を書くように歌詞を書いていました。曲と同時に仕上げていくのは今も変わらない作り方です。「片想い」という曲を初めて作りました。
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Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
友人との恋愛話や恋愛小説などからインスピレーションを得ることもありますが、自分の実体験をベースに書いている歌詞が一番多いです。
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Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
歌詞から先に書いている曲は凄く少ないです。殆ど、作りたい曲をイメージしながらピアノで弾いて、適当な歌詞で歌っていき、響きがはまった言葉から歌詞を考えていきます。サビから作って、1番ができたら、2番以降の歌詞は、ピアノから離れて喫茶店や外に出て歌詞だけを考えることが多いです。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
歌詞だけを考えるときは、静かなところよりも、BGMがあるような喫茶店、ファミレスが多いです。昔、ケンタッキーのお気に入りの席で書くと集中できる時がありました。作詞ノートは100円ショップ(ダイソー)で売っているA4サイズで、薄く、行間が広いノートで書いています。何十冊とあります。
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Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
「恋」という曲のサビの歌詞は<好きなのに… 届かない想いを あたしの胸に隠して 苦しくて 息も出来なくて>と歌っているのですが、はじめ、<好きなのに>という歌詞もメロディーもどこにもなかったんです。でも、全部歌詞が出来たときに、ここに何か一言あると強い印象になるかもしれないということで、最後の最後に<好きなのに>を入れて完成させました。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
聞いたその瞬間に、心の中にイメージが広がる歌詞が良い歌詞だなと思います。
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Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
槇原敬之さんで「フルサト」。<とがった先の鉛筆じゃ だめな気がして 意味のない円を落書きして まるくしてかいた「ありがとう」>。槇原敬之さんの曲はどの曲も心動かされる歌詞ですが、「やさしさ」をあらゆる角度から言葉で表現されている気がしていて、「フルサト」の歌詞でも、鉛筆の先がとがっていたらだめな気がするなんて、なんて繊細で、なんて優しいのだろう!と。誰も思いつかないような究極の優しい視点が大好きです。
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Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?「絶対」と「永遠」という言葉は普段もあまり使わないので、歌詞にあまり使っていないですし、使うときは凄く意識して使います。
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Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
アーティストというのは、ゼロから何かを生み出す人ということだと思うから、自分らしく自分本位でいいと思うけれど、それが誰かに伝わった時にどう響くのかを、自分でどれだけ想像できるのかも大事なのかなと思います。
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Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
締切もプレッシャーも何もない頃に、もっともっとたくさん歌詞を書いておけばよかったなと私は思うので、箇条書きでも、歌詞のカケラを書き溜めたら、いつの日かそれが自分を助けてくれるかもしれないです。
3月20日生まれ。千葉県出身。シンガーソングライター。キーボード弾き語りによる路上ライブで驚異的な集客力が話題となり2005年メジャーデビュー。劇場版アニメーション『時をかける少女』(06/細田守監督)の主題歌「ガーネット」で大きな注目を集める。その後も自らの代名詞ともいえる失恋バラードや心に深く刺さるメッセージソングなど数多くの楽曲を発表。これまでにシングル17枚、オリジナルアルバム10枚をリリースし、“グランドピアノ”と“キーボード”のみで行う全国弾き語りツアーを開催。
その唯一無二の歌声は年齢問わず幅広く支持されている。また「積和不動産 MAST」をはじめとするCMソングや他アーティストへの楽曲提供も数多く手掛ける。さらに11月15日公開映画『殺さない彼と死なない彼女』主題歌「はなびら」を書き下ろし、同作品の映画音楽にも初挑戦。デビュー15周年に突入した節目に新たな可能性を広げている。