(TVアニメ『けものフレンズ』OP主題歌)
「UNION」/OxT (TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』OP主題歌)
「君じゃなきゃダメみたい」/オーイシマサヨシ
(TVアニメ『月刊少女野崎くん』OP主題歌)
「MANKAI☆開花宣言」/A3ders!
(アプリゲーム『A3!』主題歌) など
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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
最初は中学校1年生の時に好きな女の子に歌を書いたのがきっかけでしたね。「きっと今夜はホーリーナイト」っていう恥ずかしいタイトルのクリスマスソングでした(笑)。でもそういう若い頃に恥ずかしい想いをしたからこそ、いま大人になっても恥ずかしげもなく自分の作詞に向き合えるようになったのかなとも思います。
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Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
ずいぶん昔に谷川俊太郎さんがどこかの講演会などでおっしゃっていた言葉だと思うのですが、「詩(ことば)はメロディに恋をしている」というありがたいお言葉は、僕の作詞においてひとつの指針になっていますね。
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Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
僕は作詞と一緒に作曲もするので、しかも「曲先」ということもあり、作曲の最中に自然と降りてきた御言葉(笑)を中心にして、まわりを穴埋めしていくようなイメージでしょうか。クロスワードに近いゲーム感覚で仕上げていくことが多いです。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
逆に最近はミニマリストになってしまっていて、とにかく道具を持たないようにしています(笑)。お気に入りのペン、ボロボロになった作詞ノート、パソコン、ワード、ぜんぶ作詞作業には使いません。
たとえばそうやって文字に起こしたりするとその時点で視覚情報として目から入ってきてしまうので、文章や説明として納得してしまって、メロから言葉が乖離してしまう気がするんですよね。
なので、鼻歌まじりに出てきた言葉がより一番「降りてきた」状態なのかなと思っています。そういう言葉を集めて、最後まで文字に起こさず頭の中でまとめていって1曲を作っていくことが僕は多いです。 -
Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
たくさんの方々に評価していただいた「ようこそジャパリパークへ」の<けものは居ても のけものは居ない>というフレーズですが、もとを辿れば車の運転中に思いついたただのダジャレ程度の感覚でしたね(笑)。後々にそのフレーズの周りの歌詞を固めていったり、けものフレンズという優れた作品性もあったりで、よりテーマと意味合いを含んだフレーズに変わっていったという経緯がありました。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
書いた人の信念が破綻していない歌詞かな。僕は「諦めていない歌詞」と呼んでいますが(笑)。歌詞という点数のつけられないふわふわしたものを作っていくにあたって、たくさんの迷いやノイズがある中で、その書いた人なりの「筋(すじ)」を貫き通している歌詞は、素人やプロの肩書きなど関係なく、美しくて感動させていただくものが多いです。
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Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
それこそ「諦めていないなー」と思ったのは、RADWINPSの「なんでもないや」でしたね。『君の名は。』の楽曲ですけど、<嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは 君の心が君を追い越したんだよ>って劇場で聴いた時には号泣してしまいましたね(笑)。
アーティストとして、ずっと諦めずに『言葉の純度』のようなものを保ったままいられることがどれほど大変なことか自分的にもよくわかっているつもりなので、そういう美しさも感じて涙がこぼれました。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?<君>はよく使いますね、当たり前かもですが(笑)。
こだわりとしては、たとえばすぐにそばにいたり現在進行形の相手には<君>と使って、過去の人や遠くの人や手が届かなくなった相手には<あなた>と使い分けたりします。
逆に<君>と<あなた>が同じ曲中に歌詞として出てくるみたいな、二人称の共存をしないようにしていますね。 -
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
結局、「自分以外の誰かに自分を表現している」ということを忘れてない人が長くこのお仕事を続けているような気がします。作っている時は一人なので、どうしても独りよがりになりがちですが、それを聴いてくれる人がいるということを忘れずにいることが大事なのかな、と。常に誰かのための表現であることが大事なのかなと、まだ20年くらいの若造キャリアですが僕は強くそう感じています。
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Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
「最初はみんな黒歴史」
これだけ覚えていたら何も怖くないです(笑)。最初の一歩を踏み出すことが肝心なお仕事だと思っています。もしかしたらその黒歴史が日本の音楽界を牽引する黄金の歴史に変わる時が来るかもしれません。
2001年「Sound Schedule」のVo,Gtとして、メジャーデビュー。
ミュージックステーションなどのTV音楽番組や多数のフェスに出演。
2008年「大石昌良」としてソロデビュー。
2014年、アニメ・ゲームコンテンツ向けに「オーイシマサヨシ」名義で活動開始。『月刊少女野崎くん』『多田くんは恋をしない』といった人気アニメや、
特撮ドラマ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』の主題歌を担当。
2015年より、オーイシマサヨシと次世代サウンドプロデューサーTom-H@ckとのデジタル・ロック・ユニット「OxT」を結成。
TVアニメ『ダイヤのA』『オーバーロード』『SSSS.GRIDMAN』の主題歌を担当。
2017年には作詞作編曲を担当したTVアニメ『けものフレンズ』の主題歌「ようこそジャパリパークへ」が大ヒットを記録。
2020年4月より放送、トミカ50周年記念作品TVアニメ『トミカ絆合体 アースグランナー』オープニング主題歌を担当し、
新曲「世界が君を必要とする時が来たんだ」を書き下ろしている。
今大注目のシンガーソングライター、音楽クリエイター。
01. 世界が君を必要とする時が来たんだ
OP主題歌)
ルシファー 絶望の夜明け」主題歌)
<初回限定版Blu-ray収録内容>
01. 世界が君を必要とする時が来たんだ
03. 楽園都市