僕は根っこがシンガーソングライターなので、どんなに違う歌詞を書いても結果すべて自分の思いや考えになっています。自分の中にある真実を表現することが結果的に共感に繋がると信じています(作詞の提供を始めて間もないので作詞論など偉そうなことは言えないのですが)。
-
Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
「自分のデビュー曲なんだから自分で作詞を」とレーベルのトップの方に言われて。
それまでも自分で作った曲には歌詞を付けていたのですが、初めてこの時に1曲まるごとの歌詞を完成させました。デビュー曲の「Turn The Page」は、曲とトラックはすんなりできたのに、歌詞は何回も書き直してはレコーディングしたからか、ライブでよく歌詞を間違えました(笑)。 -
Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
忘れっぽいので全然覚えてなくて…(笑)。ただ、毎日の生活の中で気がついたことや思いついた言葉はすぐメモしています。感覚や視覚、頭の中の抽象的なイメージからのインスピレーションが多いかな。
-
Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
プロセスは毎回全然違っています。サビからできるときもあれば曲の頭から書き出すときも。ただいつもやっているのは、書きたいことをしばらくiPhoneのメモに書きためて、それを全部プリントアウトして広げることでしょうか。サラサラ書くことができなくて毎回びっくりするくらい時間がかかります。
-
Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
歌を録音して聞ける環境。
歌ったり、録ったりしたものを聞いて初めて気づくことが必ずあります。歌いにくかった、音として聞こえが不自然だった、1曲3分間の時の流れに言葉が不自然に逆らっていた、などなど。感覚的に良いところ悪いところがわかる気がするので。 -
Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
ある曲の歌詞を23回書き直したことがあります。はじめはただただ大変だったのですが、最後の方はテンション高くなっちゃって「もっと来ーい!」みたいな気持ちになっていました(笑)。 この時に学んだことは今の僕にすごく役立っていて、こんな機会をいただけたことに今はとても感謝しています。
-
Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
良い歌詞だなぁと思う前に、曲を聞いた瞬間に心を揺さぶるもの。
-
Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
僕はまだ「やられた!」と曲の批評をできるような立場ではないので…、ありません。曲を聴く時にはいつも完全にリスナー側になっているようで「これは俺の気持ちだ…」とか思って感動してしまってます。
-
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?これもありません…。書いた歌詞や曲が増えていっても、その積み重ねの上の1曲ではなく、毎回1対1で曲と向き合いたいので。
-
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
自分だけの想像力を大切にする。得意なことや好きなことを大切にして伸ばす。
自分でもなかなか実行できてないので、思い出しては自分に言い聞かせています。 -
Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
メロディに言葉が乗ってはじめて歌詞になる。
SNS等で「作詞家になりたいのですが私が書いた歌詞を見てください」と僕に送ってくださる方が結構いらっしゃるんですが、それはまだ「見た目が歌詞風な詩」じゃないかと僕は思うんです。まずメロディに歌詞をつける機会を探し、作詞を実践してみて欲しいです。
from EXILE TRIBE
CHEMISTRYのデビュー時からのボーカル・プロデュースを始め、数多くの作品に作詞、作曲、ボーカル・プロデューサーとして関わる。R&Bをルーツにした彼の音楽性は、普遍的なPOPSとしても幅広い層に受け入れられ、EXILE、THE SECOND、三代目J Soul Brothers、GENERATIONSを始め、E-girls、Flowerや、Nissy (西島隆弘)、SMAP、KinKi Kidsなど、詞曲の提供や楽曲プロデュース、ボーカル・プロデューサー/ディレクターとして携わっている。
また、シンガーソングライターとしての個人の活動に加え、XChangeとFixional Citiesのボーカルとしても活動している。