2025年3月12日に“紫 今(ムラサキイマ)”が1stフルアルバム『eMulsion』(読み:エマルション)をリリースしました。紫 今は作詞・作曲のみならず、編曲も自ら手掛ける新世代クリエイター。今作には、2023年リリースの初配信楽曲「ゴールデンタイム」以降、国内外でバイラルヒットした「魔性の女A」を含め、彼女がこれまでリリースしてきた楽曲と、新曲を合わせた全15曲が収録されております。
さて、今日のうたではそんな“紫 今”による歌詞エッセイを2カ月連続でお届け! 第2弾は収録曲「魔性の女A」にまつわるお話です。令和の日本のルッキズムとは真逆の存在、魔性の女Aとは? 今、ルッキズムに苦しんでいるあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
様々な時代や国に合わせて、人々が求める“理想の美人像”に姿を変えて何千年も生き続けている妖怪、『魔性の女A』の物語。
【人々の気分次第で変化してきた美の不安定さと多様さ】を体現している彼女。
“美の画一化”が日々加速している
令和の日本のルッキズムとは真逆の存在。
もしも現代の日本に彼女が存在していたら、
どんな姿をしているのか?
AI美女だったら皮肉ですね。
「こんな形の顔、パーツ、体型が美しい。」
美醜を条件で判断する価値観が溢れるSNSの影響で、
「自分はその条件に当てはまっていないから美しくない」
そうやってルッキズムに苦しむ人が増えた気がします。
私もその一人でした。
美を追求することは素敵なことだけれど、
あなたが目指す理想像は、本当にあなたが心から惹かれたものですか?
「今流行っている顔だから」
「ネットに書いてあった美人の条件に当てはまっているから」
そんな理由だったりしませんか?
美しいものに惹かれてしまうのは人間の性。
ルッキズムを完全否定することは難しい。
じゃあルッキズムとどうやって向き合っていけばいいのか?
そんなことを思ったのがきっかけでこの曲を作りました。
どうせ“美の魔力”から逃れられないなら、
誰かが決めた“条件”に囚われるよりも、
言語化できない“魔性”に取り憑かれていたい。
人の数だけ“魔性”があるように、人の数だけ多様な“美の形”があってほしい。
誰にも介入させないで。
あなたの感性を大切に守ってほしい。
あなたが美しいと思ったならそれが正解。
美を条件にして、画一化して、凝り固まっていく
日本の現代ルッキズム。
それと最も対極にある言葉、“魔性”纏いましょう。
<紫 今>
◆紹介曲「魔性の女A」作詞:紫 今
作曲:紫 今
◆1stフルアルバム『eMulsion』
2025年3月12日発売
<収録曲>
M1: 合法パンチ
M2: 魔性の女 A
M3: Server Down
M4: 凡人様
M5: メロイズム
M6: 正面
M7: Soap Flower
M8: ギンモクセイ
M9: 青春の晩餐
M10: フラットライン
M11: ゴールデンタイム
M12: Not Queen
M13: 最愛
M14: 学級日誌
M15: 革命讃歌