2025年6月18日に“夜々”が3rd Digital Single「I Hope」をリリースしました。歌詞プロデュースにいしわたり淳治を迎えた1曲です。MVは、夜々として初のドラマタイズの作品に。もう戻ることはできないけれど今も心に残る、そんな夏の記憶を「フィルムが 残ったカメラ」「3本線の 白い お揃いのスニーカー」などのプロップと共に切なくも鮮やかに映し出しております。
今日のうたではそんな“夜々”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「I Hope」に込めた想いです。誰かを心から愛したことがあるあなたへ。大切な人との別れを経験したことがあるあなたへ…。また、今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。
結末が最初から分かっていても、
またあなたと一緒にいたいと、望んでしまう気がします。
「こんなに苦しいなら、最初から知らなければよかった」
そう思ったこともあったけど、それでも私は、
あの頃、ちゃんとあなたを好きだった自分を認めてあげたい。
この曲は、そんな夏の記憶と、そのあとに残った心の温度を思い出して、生まれた曲です。
こんなにも苦しくなるほど人を好きになるなんて、
自分の中にあるやさしさと愛を全部あげたいと思えるなんて、
なんて幸せだったんだろうと思います。
あのときの私はきっと、知らなかった。
でも、誰かを心から大切に想える気持ちは、それだけで十分に美しいと、今なら思います。
うまく自分の感情と向き合える人なんて、そんなにいないんじゃないかな。
下手でいいし、不器用でいい、いっぱい泣いていい、もう無理かもって思っていい。
いつも自分の心に素直に生きてください。
いつも自分の心に素直に生きてください。
どうか、泣ききってください。
この曲は、報われなかった恋の歌ではありません。
誰かを心から愛したことがある、そんな“あなた”へ送る歌です。
この曲を書いたことで、自分の中で終わらせられなかった想いに、ようやく、ひとつ区切りをつけられた気がします。
大切な人との別れを経験したことがある人にとって、この曲が少しでも寄り添える存在になれたらうれしいです。
きっと、どの気持ちも全部、その人と過ごした証だと思います。
ちゃんと恋をしていた、あのときの私へ。
そして今、誰かを大切に思うあなたへ。