郷土部隊進軍歌兄や妹や 父母の 歓呼の声に 奮いたち さらば出征(ゆく)ぞと 故郷を 遠く離れて 幾百里 来る日来る日の 戦いに 刃こぼれしたる 銃剣(けん)の尖(さき) 赤い夕陽に きらきらと 進む無敵の 我が部隊 高梁噛みしめ 丘越えりゃ 行手に白い 綿の花 敵の弾音 聞きながら 暫し憩いの かり枕 かねて覚悟の この身体 御国のためだ 華と散ろ かたく戦友の 手を握り 誓う塹壕の 月あかり 見たか誉れの 日の丸を 朗らにあおぐ 徐州城 忘れられよか 真ッ先に あの日拓いた 突撃路 これで本望と 戦友が 抱かれし儘で 笑い顔 傷をこらえて 言うことに 一目見たいよ 故国(くに)の空 泥濘(どろ)に塗(まみ)れた 軍服(ふく)を脱ぎゃ 坊やの写真が 手に触る 明日も一緒に 父さんと 銃をかついで 進軍歌 | 霧島昇 | 野村俊夫 | 古関裕而 | 奥山貞吉 | 兄や妹や 父母の 歓呼の声に 奮いたち さらば出征(ゆく)ぞと 故郷を 遠く離れて 幾百里 来る日来る日の 戦いに 刃こぼれしたる 銃剣(けん)の尖(さき) 赤い夕陽に きらきらと 進む無敵の 我が部隊 高梁噛みしめ 丘越えりゃ 行手に白い 綿の花 敵の弾音 聞きながら 暫し憩いの かり枕 かねて覚悟の この身体 御国のためだ 華と散ろ かたく戦友の 手を握り 誓う塹壕の 月あかり 見たか誉れの 日の丸を 朗らにあおぐ 徐州城 忘れられよか 真ッ先に あの日拓いた 突撃路 これで本望と 戦友が 抱かれし儘で 笑い顔 傷をこらえて 言うことに 一目見たいよ 故国(くに)の空 泥濘(どろ)に塗(まみ)れた 軍服(ふく)を脱ぎゃ 坊やの写真が 手に触る 明日も一緒に 父さんと 銃をかついで 進軍歌 |
皇軍の戦果輝く握る 拳が 感激に 燃えてふるえた 大号令 臨時ニュースを 聴いたとき 胸が 血潮が 沸(たぎ)ったぞ グアムで ペンギン 爆沈し 初陣飾る 鬨の声 競い立ったる 爆弾に 焼けるホノルル 空焦す 屍(むくろ)哀れな オクラホマ 続くウエスト ヴァージニア ハワイ艦隊 撃滅の 世界ゆるがす 大戦果 翼無敵の 陸鷲と やったやったぞ 海の猛者(もさ) 見事百機を 叩き伏せ 凱歌とゞろく ヒリッピン群島 戦友(とも)がマレーを 進むとき 香港目指して 大空襲 生命(いのち)捧げた つわものに もろくもウェーク島 早や陥(お)ちた 胸がおどるぞ 高鳴るぞ 捕えた船舶 二百隻 大本営の 発表に 父も妻子も 万歳だ | 霧島昇 | 野村俊夫 | 古関裕而 | 古関裕而 | 握る 拳が 感激に 燃えてふるえた 大号令 臨時ニュースを 聴いたとき 胸が 血潮が 沸(たぎ)ったぞ グアムで ペンギン 爆沈し 初陣飾る 鬨の声 競い立ったる 爆弾に 焼けるホノルル 空焦す 屍(むくろ)哀れな オクラホマ 続くウエスト ヴァージニア ハワイ艦隊 撃滅の 世界ゆるがす 大戦果 翼無敵の 陸鷲と やったやったぞ 海の猛者(もさ) 見事百機を 叩き伏せ 凱歌とゞろく ヒリッピン群島 戦友(とも)がマレーを 進むとき 香港目指して 大空襲 生命(いのち)捧げた つわものに もろくもウェーク島 早や陥(お)ちた 胸がおどるぞ 高鳴るぞ 捕えた船舶 二百隻 大本営の 発表に 父も妻子も 万歳だ |
湖畔のギター山の湖畔の 夕月に 咲いた白百合 亡き人恋し かえらぬ君と 知りながら 思う心の せつなさよ ギター悲しや すすり泣き 愛の印に 頭字(イニシャル)を 君ときざみし 白樺いとし 想えば淡き 青空の 虹によく似た 初恋よ 何故にこうまで 忘られぬ 月の湖 流れくる 遠き櫓の音 舟歌さみし おもかげ一つ 胸に秘め 生きるこの世の 苦しさよ 熱い涙を 誰か知る | 霧島昇 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 山の湖畔の 夕月に 咲いた白百合 亡き人恋し かえらぬ君と 知りながら 思う心の せつなさよ ギター悲しや すすり泣き 愛の印に 頭字(イニシャル)を 君ときざみし 白樺いとし 想えば淡き 青空の 虹によく似た 初恋よ 何故にこうまで 忘られぬ 月の湖 流れくる 遠き櫓の音 舟歌さみし おもかげ一つ 胸に秘め 生きるこの世の 苦しさよ 熱い涙を 誰か知る |
三百六十五夜みどりの風に おくれ毛が やさしくゆれた 恋の夜 初めて逢うた あの夜の君が 今は生命を 賭ける君 たそがれ窓に 浮ぶのは いとしき人の 旅すがた 我ゆえ歩む 道頓堀の 水の夕陽が 悲しかろ 鈴蘭匂う 春の夜 灯うるむ 秋の夜 泣いた 三百六十五夜の 愛の二人に 朝が来る | 霧島昇 | 西条八十 | 古賀政男 | | みどりの風に おくれ毛が やさしくゆれた 恋の夜 初めて逢うた あの夜の君が 今は生命を 賭ける君 たそがれ窓に 浮ぶのは いとしき人の 旅すがた 我ゆえ歩む 道頓堀の 水の夕陽が 悲しかろ 鈴蘭匂う 春の夜 灯うるむ 秋の夜 泣いた 三百六十五夜の 愛の二人に 朝が来る |
旅の夜風花も嵐も 踏み越えて 行くが男の 生きる道 泣いてくれるな ほろほろ鳥よ 月の比叡を 独り行く 加茂の河原に 秋長けて 肌に夜風が 沁みわたる おとこ柳が なに泣くものか 風に揺れるは 影ばかり 愛の山河 雲幾重 心ごころは 隔てても 待てば来る来る 愛染かつら やがて芽を吹く 春がくる | 霧島昇 | 西條八十 | 万城目正 | | 花も嵐も 踏み越えて 行くが男の 生きる道 泣いてくれるな ほろほろ鳥よ 月の比叡を 独り行く 加茂の河原に 秋長けて 肌に夜風が 沁みわたる おとこ柳が なに泣くものか 風に揺れるは 影ばかり 愛の山河 雲幾重 心ごころは 隔てても 待てば来る来る 愛染かつら やがて芽を吹く 春がくる |
旅役者の唄秋の七草 色増すころよ 役者なりゃこそ 旅から旅へ 雲が流れる 今年も暮れる 風にさやさや 花芒 時雨ふる夜は 蟋蟀(こおろぎ)啼いて なぜか淋しい 寄せ太鼓 下座の三味さえ こころに沁みる 男涙の 牡丹刷毛 幟はたはた 夕雲見れば 渡る雁 故郷は遠い 役者する身と 空飛ぶ鳥は どこのいずくで 果てるやら | 霧島昇 | 西條八十 | 古賀政男 | | 秋の七草 色増すころよ 役者なりゃこそ 旅から旅へ 雲が流れる 今年も暮れる 風にさやさや 花芒 時雨ふる夜は 蟋蟀(こおろぎ)啼いて なぜか淋しい 寄せ太鼓 下座の三味さえ こころに沁みる 男涙の 牡丹刷毛 幟はたはた 夕雲見れば 渡る雁 故郷は遠い 役者する身と 空飛ぶ鳥は どこのいずくで 果てるやら |
誰か故郷を想わざる花摘む野辺に 陽は落ちて みんなで肩を くみながら 歌をうたった 帰り道 幼馴染みの あの友この友 ああ 誰か故郷を想わざる 一人の姉が 嫁ぐ夜に 小川の岸で 淋しさに 泣いた涙の なつかしさ 幼馴染みの あの山この川 ああ 誰か故郷を想わざる 都に雨の 降る夜は 涙に胸も しめりがち 遠く呼ぶのは 誰の声 幼馴染みの あの夢この夢 ああ 誰か故郷を想わざる | 霧島昇 | 西条八十 | 古賀政男 | | 花摘む野辺に 陽は落ちて みんなで肩を くみながら 歌をうたった 帰り道 幼馴染みの あの友この友 ああ 誰か故郷を想わざる 一人の姉が 嫁ぐ夜に 小川の岸で 淋しさに 泣いた涙の なつかしさ 幼馴染みの あの山この川 ああ 誰か故郷を想わざる 都に雨の 降る夜は 涙に胸も しめりがち 遠く呼ぶのは 誰の声 幼馴染みの あの夢この夢 ああ 誰か故郷を想わざる |
南進男児の歌きみが剣の 戦士なら われは南の 開拓士 共に明るい 日本の 希望に燃える 若き民 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ いまぞ男と 生れ来て 拓け南の 陸と海 使命栄ある わが行途 輝く南極 十字星 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ 赤道越えて 今日も行く 祖国の歌よ 日の丸よ 若き腕に 脈打つは 世紀に躍る 血の調べ 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ | 霧島昇 | 若杉雄三郎 | 古関裕而 | | きみが剣の 戦士なら われは南の 開拓士 共に明るい 日本の 希望に燃える 若き民 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ いまぞ男と 生れ来て 拓け南の 陸と海 使命栄ある わが行途 輝く南極 十字星 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ 赤道越えて 今日も行く 祖国の歌よ 日の丸よ 若き腕に 脈打つは 世紀に躍る 血の調べ 進め丈夫 われ等こそ 南進日本の 先駆者(さきがけ)だ |
胸の振子柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も 何も言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子がつぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮かべ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子がつぶやく やさしきその名 | 霧島昇 | サトウハチロー | 服部良一 | | 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も 何も言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子がつぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮かべ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子がつぶやく やさしきその名 |
目ン無い千鳥目ン無い千鳥の 高島田 見えぬ鏡に いたわしや 曇る今宵の 金屏風 誰のとがやら 罪じゃやら 千々にみだれる 思い出は すぎし月日の 糸車 廻す心の 盃に 紅はさしても 晴れぬ胸 雨の夜更けに 弾く琴が 白い小指に しみてゆく 花が散る散る 春が逝く 胸の扉が また濡れる 目ン無い千鳥の さみしさは 切れてはかない 琴の糸 青春の盛りの 若い葉に むせび泣くよな こぬか雨 | 霧島昇 | サトウハチロー | 古賀政男 | | 目ン無い千鳥の 高島田 見えぬ鏡に いたわしや 曇る今宵の 金屏風 誰のとがやら 罪じゃやら 千々にみだれる 思い出は すぎし月日の 糸車 廻す心の 盃に 紅はさしても 晴れぬ胸 雨の夜更けに 弾く琴が 白い小指に しみてゆく 花が散る散る 春が逝く 胸の扉が また濡れる 目ン無い千鳥の さみしさは 切れてはかない 琴の糸 青春の盛りの 若い葉に むせび泣くよな こぬか雨 |
淀の流れは十三里宇治の流れに桂と木津と 溶けて大川十三里 淀のな 淀の流れは十三里 港 港 で山ほど積んで 上り下りの通い船 淀のな 淀の流れは十三里 雨の降る日は溢れる水を 止めて堤が青々と 淀のな 淀の流れは十三里 汽笛鳴る鳴る工場の水も 毛馬で堰かれた淀の水 淀のな 淀の流れは十三里 | 霧島昇 | 喜志邦三 | 古関裕而 | | 宇治の流れに桂と木津と 溶けて大川十三里 淀のな 淀の流れは十三里 港 港 で山ほど積んで 上り下りの通い船 淀のな 淀の流れは十三里 雨の降る日は溢れる水を 止めて堤が青々と 淀のな 淀の流れは十三里 汽笛鳴る鳴る工場の水も 毛馬で堰かれた淀の水 淀のな 淀の流れは十三里 |
麗人の歌紅い帯締め 花嫁人形 明日は売られて どこへゆく 泣いてみたとて あの人が 告げぬ想いを ああ なんで知ろ 夢はやぶれて 花嫁手形 はでなたもとが 恥かしや 覚めて浮世の 窓みれば みんな泣いてる ああ 人ばかり 告げぬ想いを さみしくこらえ 君とゆく夜の 小糠雨 いとしお方の 肩たたく 雨がわたしで ああ あったなら 籠に飼われた 緋総の鳥が 強い女と なる朝は こころ筑紫の 波の上 うかぶ白帆に ああ 虹が立つ | 霧島昇 | 西条八十 | 古賀政男 | | 紅い帯締め 花嫁人形 明日は売られて どこへゆく 泣いてみたとて あの人が 告げぬ想いを ああ なんで知ろ 夢はやぶれて 花嫁手形 はでなたもとが 恥かしや 覚めて浮世の 窓みれば みんな泣いてる ああ 人ばかり 告げぬ想いを さみしくこらえ 君とゆく夜の 小糠雨 いとしお方の 肩たたく 雨がわたしで ああ あったなら 籠に飼われた 緋総の鳥が 強い女と なる朝は こころ筑紫の 波の上 うかぶ白帆に ああ 虹が立つ |
若鷲の歌若い血潮の 予科練の 七つボタンは 桜に錨 今日も飛ぶ飛ぶ 霞ヶ浦にゃ でっかい希望の 雲が湧く 燃える元気な 予科練の 腕はくろがね 心は火玉 さっと巣立てば 荒海越えて 行くぞ敵陣 なぐり込み 仰ぐ先輩 予科練の 手柄聞くたび 血潮が疼く ぐんと練れ練れ 攻撃精神 大和魂にゃ 敵はない 生命惜しまぬ 予科練の 意気の翼は 勝利の翼 見事轟沈した 敵艦を 母へ写真で 送りたい | 霧島昇 | 西条八十 | 古関裕而 | | 若い血潮の 予科練の 七つボタンは 桜に錨 今日も飛ぶ飛ぶ 霞ヶ浦にゃ でっかい希望の 雲が湧く 燃える元気な 予科練の 腕はくろがね 心は火玉 さっと巣立てば 荒海越えて 行くぞ敵陣 なぐり込み 仰ぐ先輩 予科練の 手柄聞くたび 血潮が疼く ぐんと練れ練れ 攻撃精神 大和魂にゃ 敵はない 生命惜しまぬ 予科練の 意気の翼は 勝利の翼 見事轟沈した 敵艦を 母へ写真で 送りたい |