あゝ爾霊山空飛ぶ鳥よ 何を啼く つわもの共が 夢の跡 過ぎし日露の 戦いを 憶えば胸に こみ上げる 涙も熱き あゝ爾霊山(にれいざん) 名も無き花が 旅人に 応えて揺れる 古戦場 赫い夕陽に 照らされて 第三軍の 英霊も 眠るか此処は あゝ爾霊山 私はただ一介の観光バスの運転士であります、 だが日本人に変りはありません、皆さん想い出して下さい、 鉄血山を覆えし山形為に改まり、 わが乃木三軍が悪戦苦闘して占領したこの山の激戦を! 生き残った兵士は、打伏す戦友の屍を抱き上げ、 この山の頂上によじ登り 「オイッ戦友ッ、これを見ろ、203高地は占領したぞ、 お前の仇は立派に討ったぞ」 と閉じた両目をおし開き銃を握り締めた両手を挙げさせて 「万歳!万歳」男泣きに叫んだというその感激はどんなであったでしょう、 時に明治37年12月1日です。 万感共に 額ずけば 武勲(いさお)は高し 表忠塔 遥か見下ろす 旅順口 祖国の為めに ますらおが 戦史を飾る あゝ爾霊山 | 塩まさる | 島田磐也 | 宮脇春夫 | | 空飛ぶ鳥よ 何を啼く つわもの共が 夢の跡 過ぎし日露の 戦いを 憶えば胸に こみ上げる 涙も熱き あゝ爾霊山(にれいざん) 名も無き花が 旅人に 応えて揺れる 古戦場 赫い夕陽に 照らされて 第三軍の 英霊も 眠るか此処は あゝ爾霊山 私はただ一介の観光バスの運転士であります、 だが日本人に変りはありません、皆さん想い出して下さい、 鉄血山を覆えし山形為に改まり、 わが乃木三軍が悪戦苦闘して占領したこの山の激戦を! 生き残った兵士は、打伏す戦友の屍を抱き上げ、 この山の頂上によじ登り 「オイッ戦友ッ、これを見ろ、203高地は占領したぞ、 お前の仇は立派に討ったぞ」 と閉じた両目をおし開き銃を握り締めた両手を挙げさせて 「万歳!万歳」男泣きに叫んだというその感激はどんなであったでしょう、 時に明治37年12月1日です。 万感共に 額ずけば 武勲(いさお)は高し 表忠塔 遥か見下ろす 旅順口 祖国の為めに ますらおが 戦史を飾る あゝ爾霊山 |
あゝ揚子江白衣(びゃくえ)の袖を かみしめて 病院船の 窓に見る ああ悠久の 揚子江 流れの果てに 星が飛ぶ 男子の胸を 泣いてとぶ 祖国を出でて 幾百里 誓いし武勲 空しくも ああ傷つきて 還える身よ 戦野の空を 見はるかす 瞳にあふる この涙 さらばよ戦友(とも)よ 大陸よ 月冴えわたる 揚子江 ああ滔々(とうとう)の この流れ われいつの日か 又のぼる 決意をのせて 船は往く | 塩まさる | 大高ひさを | 利根一郎 | | 白衣(びゃくえ)の袖を かみしめて 病院船の 窓に見る ああ悠久の 揚子江 流れの果てに 星が飛ぶ 男子の胸を 泣いてとぶ 祖国を出でて 幾百里 誓いし武勲 空しくも ああ傷つきて 還える身よ 戦野の空を 見はるかす 瞳にあふる この涙 さらばよ戦友(とも)よ 大陸よ 月冴えわたる 揚子江 ああ滔々(とうとう)の この流れ われいつの日か 又のぼる 決意をのせて 船は往く |
九段の母上野駅から 九段まで 勝手知らない 焦れったさ 杖を頼りに 一日がゝかり 伜来たぞや 逢いに来た 空を衝くよな 大鳥居 斯んな立派な 御社に 神と祀られ 勿体なさよ 母は泣けます 嬉しさに 両掌合わせて 跪き 拝むはづみの 御念仏 ハッと気付いて うろたえました 伜許せよ 田舎者 鳶が鷹の子 生んだ様で 今じゃ果報が 身に余る 金鵄勲章が 見せたいばかり 逢いに来たぞや 九段坂 | 塩まさる | 石松秋二 | 能代八郎 | | 上野駅から 九段まで 勝手知らない 焦れったさ 杖を頼りに 一日がゝかり 伜来たぞや 逢いに来た 空を衝くよな 大鳥居 斯んな立派な 御社に 神と祀られ 勿体なさよ 母は泣けます 嬉しさに 両掌合わせて 跪き 拝むはづみの 御念仏 ハッと気付いて うろたえました 伜許せよ 田舎者 鳶が鷹の子 生んだ様で 今じゃ果報が 身に余る 金鵄勲章が 見せたいばかり 逢いに来たぞや 九段坂 |