LIVE REPORT

androp ライブレポート

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【androp】 『one-man live tour 2017 "angstrom 0.8 pm"』 2017年7月4日 at 恵比寿LIQUIDROOM

2017年07月04日@恵比寿LIQUIDROOM

撮影:Taichi Nishimaki、Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)/取材:清水素子

2017.07.11

“音を楽しむ”と書いて“音楽”と読む。ならば、これが本物の音楽というものだろう。誠実に音楽と向き合うために自身のレーベルを昨春立ち上げ、今年に入りメジャーとタッグを組んでの1stツアー。光あふれる中で夢への目覚めを歌う「Dreamer」で幕開けるや、ファンキーな「Boohoo」からクラップとともにハードに迫る「Lit」、一転ゆるいテンポで浮遊感を醸す「Meme」と、初っ端からバラエティー豊かな“音”で満員のフロアーを問答無用に楽しませる。

リズム、テンポ、歌声の多彩な引き出しはもちろん、必要最低限の音で心のツボを突く絶妙なバンドアンサンブルは実に見事だが、そこからじわりと浮かび上がる不穏の正体も後半の「Kaonashi」で明らかに。真っ赤なライトを浴びてギターを弓でかき鳴らしながら情念を爆発させる内澤崇仁(Vo&Gu)にフロアーは静まり返り、ここまでの上昇気流は全てこの転落を演出するためかと納得させるほどの圧倒的闇に息を飲む。“好きな音楽をやってるからって楽しいことばかりじゃない。でも、心の傷を持っているからこそ鳴らせる俺らの音楽がある”という彼のMCが示す通り、つまりは陰と陽の両方を知るからこそandropの音楽は楽しくて深いのだ。

アンコールでは8月23日発売のシングル曲もサプライス披露。中でも、Creepy Nutsをフィーチャリングした表題曲「SOS! feat. Creepy Nuts」ではメンバーのR-指定とDJ松永も登場して、軽やかなバンドサウンドにラップが融合するサマーソングで驚愕させた。そこで“これからも結構ヤバいことが待っていますが、心配しないでください”と笑った内澤の言葉に、心配は期待へとすり替わりそうである。

撮影:Taichi Nishimaki、Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)/取材:清水素子

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アンドロップ:2009年12月に1st アルバム『anew』でデビュー。ジャンルレスかつ緻密なサウンドアプローチと、その傑出した音楽性でシーンに頭角を現す。これまで発表されたミュージックビデオは、『カンヌ国際広告祭』(仏)、『One Show』(米)、『Webby Awards』(米)他、国内外11のアワードで受賞するなど、その映像世界やアートワークは世界的な評価を得ている。また、映像、音響、照明が三位一体となったスペクタクルなステージパフォーマンスにも大きな注目を集めている。

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