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水樹奈々 ライヴレポート

水樹奈々 ライヴレポート

【水樹奈々 ライヴレポート】 『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』 2022年1月4日 at さいたまスーパーアリーナ

2022年01月04日@

撮影:上飯坂一、高田真紀子/取材:榑林史章

2022.01.20

水樹奈々が年明けの1月3日と4日、さいたまスーパーアリーナにて約2年4カ月振りの有観客ライヴ『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』を開催した。2020年に新型コロナウィルスの影響により中止になった歌手デビュー20周年記念ツアー『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020』のリベンジとして再構成しつつもアルバム『CANNONBALL RUNNING』の収録曲を中心に、さらに4日はWアンコールも含めた全25曲で、文字通り全力疾走の3時間になった。

ライヴが始まるや戦闘モード全開の水樹。いつもはライヴのクライマックスを盛り上げる「Synchrogazer」、疾走感あふれる「DAYBREAKERS」、そしてライヴの定番曲「ETERNAL BLAZE」と、アツい楽曲をド頭から三連発で繰り出す。演出も出し惜しみなく、銀の紙吹雪が舞い散りファイアーボールがボンボン打ち上がるなど、まるでこの2年の鬱憤を晴らすかのような始まりに会場も一気に湧く。

“攻め曲三昧です!”との言葉どおり、ゴリゴリのギターサウンドに情感こめまくりのヴォーカルを乗せた「glitch」、ラウドなサウンドで会場を揺らす「METANOIA」を矢継ぎ早に投下し、百戦錬磨のCherry Boysが生み出す圧倒的なバンドサウンドを背に受け、そのヴォーカルにもますます熱がこもる。一転、「Knock U down」や「Light Births Shadow」では、いくつになっても乙女心は忘れないといった感じで、team YO-DAとの息の合ったダンスで会場を魅了した。

MCでは、エアハグと投げキッスで嬉しさを爆発させ、2年4カ月の空白を取り戻すようにトークのテンションも高く、止まらない。お正月ダジャレを披露する流れでは、ちょっとすべり気味の微妙な空気がまたどこか懐かしかった。

『CANNONBALL RUNNING』の収録曲を中心にしながら随所で20周年も感じさせる本公演。中盤には『SHAMAN KING』で水樹が担当した玉村たまおの想いを乗せた2000年版シリーズ時のキャラクターソングをリアレンジした「花、星、空 -reunion-」を披露し、20年前から成長したたまおの歌声に、会場にはたまおのイメージカラー=ピンクのペンライトが揺れた。また、アナログ盤の限定リリースがアナウンスされた1stアルバム『supersonic girl』の収録曲である「TRANSMIGRATION」では、哀愁漂うサウンドに乗せてメランコリックな歌声を響かせた。

幕間のSHORT MOVIEでは20年間のライヴを振り返った映像が上映され、2001年に原宿アストロホールで行なった『水樹奈々 X'mas LIVE "supersonic girl"』の映像が目を引いた。当時のマネージャーのホームビデオから発掘されたもので、時代を感じさせるメイクと衣装で歌うみずみずしい姿に、当時からのファンは年月の流れを感じたことだろう。さらに“AC部”による『声優アイドル奈々』と題した、水樹奈々の半生をデフォルメした高速紙芝居のSHORT MOVIEも上映。立体的に繰り広げられる高速紙芝居に、新型コロナウイルス感染症対策で声出しができない観客は笑いを堪えるのに必死だったことは言うまでもない。

また、水樹奈々のライヴと言えば、コンボイ、ロボット、列車、帆船などさまざまな乗り物が登場する大迫力の演出でお馴染み。本公演は乗り物こそ登場しなかったが、代わりに火薬量は過去最大! アッパーのヘヴィロックチューン「Red Breeze」を歌う際には、高さ約7メートルのナイアガラや打ち上げ花火、さらにこのライヴのために開発された多色の炎が吹き上がる演出で、屋内であることを忘れさせるスケールの大きさだ。もちろん水樹はそれにも負けないアツい歌声で、観客をあっと驚かせる。そして、アンコールでは“RUNNER”にかけて羽根が付いたスニーカー型のトロッコに乗って登場。「No Rain, No Rainbow」などポジティブソングを歌いながら会場を巡るウィニングランに、観客は手を振って彼女の完走を讃えた。

“2022年、ここからぶっ飛ばしていきます。モヤモヤした時代をぶち壊して、新しい扉を開けていきましょう!”とファンに約束した水樹。4日のみのWアンコールでは“私にとって特別な曲。この特別な日に、言葉にできない想いを全てこの歌に込めさせてください”と「深愛」を熱唱。どんなに離れていても心は一緒にいる。この絆は永遠である。これからも一緒に歩み続けたい。...という水樹の想いに、ファンは純白のペンライトで嘘偽りない愛を誓った。

なお、本公演は1月21日(金)19時より配信も実施され、1月30日(日)までアーカイブ視聴も可能となっている。また、ライヴ配信後には裏話が聞けるアフタートークの生配信も決定しているとのことだ。

撮影:上飯坂一、高田真紀子/取材:榑林史章

水樹奈々

ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収めた。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 9

    9. 花、星、空 -reunion-

  2. 11

    〜SHORT MOVIE〜

  3. 14

    13. Love Fight!

  4. 16

    〜SHORT MOVIE〜

  5. 23

    <ENCORE1>

  6. 28

    <ENCORE2>

  7. 29

    深愛

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