午後4時のアメジストあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 午後4時の アメジスト 空向いて風に咲く まだやみがたき かなたへの まだ鳴りやまぬ 胸騒ぎ 今たそがれる おもかげが 今燃え上がる かの島の うすむらさきの おくりもの 午後9時にあじさいは うつむいて雨に咲く まだやみがたき あなたへの まだ鳴りやまぬ しおざいは うすむらさきに けぶってく まだ消えがたき 思い出に さようなら さようなら まだやみがたき あなたへの まだ鳴りやまぬ しおざいの うすむらさきの おくりもの まだたそがれぬ かの島に うすむらさきの おくりもの やがて消え行く かの島に さようなら 手を振って さようなら 手を振れば uh uh |
UNO-誰か悲しみのバンドネオンクミコ | クミコ | あがた森魚 | M.Mores・M.Martinez・E.S.Discepolo | | 巴里……大博覧会 大観覧車廻った その束の間のこと それは二十世紀の時計の廻りはじめた夜の出来事 イルミネーションが色彩りはじめ リンドバーグがルージュを曳いた ツェッペリンも空に葉巻をくゆらせ ニジンスキーが雲雀の様に踊った なぜあなたとわかれわかれに 生きることになってしまったのだろう おりしも世界は不幸な戦いに みんなやつれ果てていたけど 僕らの楽団は世界中巡り それはそれでしあわせだつた 世界の街ではねずみ色の不幸をまとい 僕らは彼らと元気を出そうと 奏でたつもりだった 誰しもが同じ星の下 ひもじく歩く子供だったから 同じテーブルに座れること 同じものを食べる夢 そんな夢さえ バンドネオンを奏でたところで ひもじさすら救えず あなたともうやっていけないと 楽譜をたくさん書き バンドネオンをつれ 乞われるままに列車に乗り 街から街へ奏であるいた日々 キャンドルのあかりだけで 二人過ごしたクリスマス・イヴのこと またたく星にあなたの名を呼んだ夜 どれもこれもがかえらぬ日々の淡い夢 誰しもが傷み また歓び生きた日々 なぜあなたとわかれわかれに 生きることになってしまったのだろう 街々には平和がよみがえり 誰ともうまくやれる時が来たのに 僕らの楽団は世界中巡り それはそれでしあわせだつた それなのに僕らは二人だけの悲しみをもちはじめ 僕らは互ひに元気を出そうと 奏でたつもりだった 誰しもが同じ星の下 ひもじく歩く子供だったから 同じ屋根の下に暮らすこと 同じ夢を持ちあうこと そんな夢さえバンドネオンを奏でたところで 夢すら失いかけ あなたを忘れてしまおうと 楽譜をたくさんかき バンドネオンをつれ 乞われるままに列車に乗り 街から街へ奏であるいた日々 明りをつける気力もなく ひとりたたずんだクリスマスイヴのこと またたく星にあなたと歩いた夜 どれもこれもがいつか知る淡い夢の日々 誰しもが傷み また歓び 生きた日々 |
百合コレクション元ちとせ | 元ちとせ | あがた森魚 | あがた森魚 | | 夜毎夜毎 夢に咲く百合の君 百合から百合へ ささやく花言葉 高原の停車場の汽笛ふるわせて ゆめうつつのまま 閉じたるつぼみを抱きしめて オペラホールの丸屋根の上で 視つめていましたね 砕けてしまった土星のように 淋しい星でした それでもあなたと歩いた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合collection ふりむけば 秋空に昇る星 一秒一秒毎に変わる君 一雨一雨毎にそよぐ百合 マッチボックスに灯る夜の影 ゆめうつつのまま 触れたる口唇抱きしめて ラスト・シーンにくるくる踊る 北極星を視た シネマが終われば街灯りもない 淋しい星でした 旅の果てに訪ねた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合collection ふりむけば 秋空に沈む星 |
スカーフ~時代(とき)の記憶クミコ | クミコ | あがた森魚 | モーリス・ファノン | | 新しい時代の モダンな名前の時の病いは 摩天楼の谷間の テラスでエロスのワルツを踊った 夜明けのことだった 別れの日のあなたの手のひらは 私の頬をつつんで 優しくスカーフを巻いてくれた ひとりで歩いてゆきなさいと そのあなたの手のひらは 未来への理想に燃えていた 時代(とき)は変わろうとしていた どんな思い出よりも あの時代(とき)の記憶は 別れの朝の青い空 スカーフを結んでくれた あなたの手が熱すぎたのは 寒かったからじゃない あなたの手のひらは 未来への理想に燃えていたから 戦争(たたかい)の時代(とき)は始まり 理想に立ち向う者とて 生きる者は生き残り 死ぬものは死にゆく とてもとても昔の昔の お話にもならない古いお話 遠い異国(くに)の空から あなたの便りは届いた 戦いはじき終る また二人の暮しは始まる 僕らのあたらしい時はくると 二人で生きていこうと 戦争(たたかい)の時代(とき)はやがて終り 理想に立ち向う者とて 生きる者は生き残り 死ぬものは死にゆく もう誰も知ってなんかはいない モダンな名前の時の病は 摩天楼の谷間の テラスでエロスのワルツを踊った 夜明けのことだった あなたの優しい手のひらは 私の頬をつつんで ひとりで歩いてゆきなさいと 優しくスカーフを巻いた そのあなたの手のひらは 未来の理想に燃えて 私をひとりをとりのこして |
ヂパングボーイあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 海鳴りも雷様も怒りたけって 海を越えろ 雨も越えろ 天地 くつがえせ いつか出会った旅人たちよ よい旅 つづくように 鶏鳴臥薪の朝やけ時を 嵐でやってこい いつか出会った旅人たちの よい旅 続くように 日本の浜辺で 遠いみなさん 幸せ 祈りましょう |
MEZCAL(はじめに歌ありて)あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | この歌は はじめから あなたへの つのる思いで はち切れる歌 夜明けには 霧の中 生まれ出す 水晶のように きらめき くだけて 涙さえ 振り切って 背中には うぶ毛だつ 翼を広げ 幾とせ ちとせまで 飛び越え 歌い また飛び上がり 歌って この歌は はじめから あなたへと 暖め続けた 愛のことです 夜道には 空じゅうの 星くずの神々が きらめき さざめき歌う 刃(やいば)さえ 振り切って 背中には うぶ毛だつ 翼を広げ 幾とせ ちとせまで 飛び越え 歌い また飛び上がり 歌って |
百合コレクションあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 夜毎夜毎 夢に咲く百合の君 百合から百合へ ささやく花言葉 高原の停車場の汽笛ふるわせて ゆめうつつのまま 閉じたるつぼみを抱きしめて オペラホールの丸屋根の上で 視つめていましたね 砕けてしまった土星のように 淋しい星でした それでもあなたと歩いた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection ふりむけば 秋空に昇る君 一秒一秒毎に変わる君 一雨一雨毎にそよぐ百合 マッチ・ボックスに灯る夜の影 ゆめうつつのまま 触れたる口唇抱きしめて ラスト・シーンにくるくる踊る 北極星を視た シネマが終われば街灯りもない 淋しい星でした 旅の果てに訪ねた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection ふりむけば 秋空に沈む君 |
冬のサナトリウム元ちとせ | 元ちとせ | あがた森魚 | あがた森魚 | | ほんの少しだけれど 陽が射し始めた 雪明り 誘蛾燈 誰が来るもんか 独人 荒野から山径へ 邂逅はまぼろし 弄びし夏もや 何が視えんたんだろか 抱擁て 十九歳十月 窓からたびだち 壁でサビエルも ベッドで千代紙も 涕泣いた |
赤色エレジーちあきなおみ | ちあきなおみ | あがた森魚 | 八洲秀章 | | 愛は愛とて 何になる 男一郎 まこととて 幸子の幸は どこにある 男一郎 ままよとて 昭和余年は 春の宵 桜吹雪けば 蝶も舞う さみしかったわ どうしたの お母さまの 夢みたね オフトンもひとつ ほしいよね いえいえこうして いられたら あなたの口から サヨナラは 言えないことと 思ってた 裸電灯 舞踏会 踊りし日々は 走馬灯 幸子の幸は どこにある 愛は愛とて 何になる 男一郎 まこととて 幸子の幸は どこにある 男一郎 ままよとて 幸子と一郎の 物語 お涙ちょうだい ありがとう |
元祖ラヂヲ焼あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | YEA YEA YEA!! GWANSOW!! RADIO YAKI GWA DEKITA! RADIO YAKI GWA YAKETA! AMATO NO OKATA WA TABEYANSE! KARATO NO OKATA MO TABEYANSE! TAISHO YAKI YORI OISHIYO YEA YEA RASHE RASHE OSHEYE OSHEYE BOY OICHAN!! RADIO YAKI 3 KO CHODAI GUY OOOH!! YAKITATE 3CHO!! BOY OH!! UMASO! MUSH CUCH MSHA!! GUY UMMM BOY ACH OKANE WA? BOY YE? OKANE DATTE OICHAN!! RADIO WA MUSEN DARO? GUY SWAMP! YEA YEA GWANSOW!! RADIO YAKI GWA DEKITA!! RADIO YAKI GWA DEKITA!! |
君はハートのクィーンだよあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ぽっけに石鹸一個入れ 軽石手拭頚に下げ 君のほそい影踏めば おふろあがりのさむい径 街ではどかどかチンドン屋 年末特別大バーゲン 僕らのお城は長屋裏 石炭ストーヴない夜は ラヂヲで大雪注意報 君と僕とで静かに聴けば まるで大英帝国の 僕は勲功し王子様 君は麗わし王女様 君のおつとめ喫茶店 今夜も帰りは終電車 駅までおむかえ雪の径 マフラと駆けっこ白い息 ジングルジャングル街あかり 繭玉お飾り歳の市 僕らのお城も除夜の鐘 窓べで粉雪おにごっこ 僕らのお雑煮たべたそう よい年来てねとそっと祈れば そうさ(明日は)大英帝国の 僕は勲功し王子様 君は麗わし王女様 |
赤色エレジーあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 八洲秀章 | | 愛は愛とて何になる 男一郎 まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎ままよとて 昭和余年は春も宵 桜吹雪けば情も舞う さみしかったわどうしたの おかあさまのゆめみたね おふとんもひとつほしいよね いえいえこうしていられたら あなたの口からさよならは 言えないことと想ってた はだか電燈舞踏会 おどりし日々は走馬燈 幸子の幸は何処にある 愛は愛とて何になる 男一郎まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎ままよとて 幸子と一郎の物語 お泪頂戴ありがとう |
最后のダンスステップあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 私の名は朝子です。 齢は十八、身長は百六十三センチです。 自分では綺麗な方だと想っています。 今、髪は短いですが、ぢき長くなると想います。 お酒はまだあまりのめませんが、 ブルースとタンゴぐらいは踊れます。 今宵限りのダンスホール あなたのリードでステップ踏めば お別れするのに夜会服が 何とか明日もくうるくると おいらめとろのつむぢ旋風 ソフトハットをなびかせて シベリア・ケーキにお茶でも飲んで ギンザのキネマに行きたいナァ 踊ろうか 踊りましょう せめて 今宵かぎりでも あなたなんだかおセンチね もうすぐ外地へお出征しね あたしも最後のパアマネント この髪乱して踊りたい 踊ろうか 踊りましょう せめて 今宵かぎりでも 今宵かぎりのダンスホール 扉閉ざせば あすしれぬ 今風立ちぬ いざ征かん あすは 異邦のつむぢ旋風 踊ろうか 踊りましょう どうせ 今宵かぎりぢゃない |
河童あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | あやめの漂う初夏の湯は 船が浮かんで背泳ぎで 夏が来る バミューダトライアングルなんて 知らなあいけどぉ セイントエルモスの燃える火も 知らなあいけどぉ 果てない海を泳いでいくのかな そして湯舟は霧立ち タイルの海の彼方まで |
ラム酒の大楽隊あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 鈴木慶一 | | ヒカウキ ブンブン ヒカウキ ブンブン ヘリコプ タプタプ ヘリコプ タプタプ |
パタゴニア・パンタンゴ1999あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 岡田徹 | | かなりの悪党 カナロにコクトー コルトを構えて海中庭園サスペンション Patagonia Patang Patagonia Patango (MUI PICARIO!) わるいやっちゃ かなりの悪党 カナロにコクトー コルトが沈んで海中庭園サスペンション Patagonia Patang Patagonia Patango (MUI PICART!) わるいやっちゃ ひどいやっちゃ 南へ廻る入江たそがれかけ ゆれる 密航路の窓 地図を照らす男たち 海に酔っちゃ波に口づけするシルエット マストの上で見張り番をするのは 海のノマド 海まるごと網にさらわれる 天国みたいな浮かぶ城塞(とりで) 港に入るともう暗くなって うるむ 吃水線は 霧をかきわけてやっとかえる 非道い奴らにまけてすさむ男たち 灯台守と流氷のおたけび 海のノマド 夜いっぱい波にあらわれて 海からよみがえる浮かぶ城塞(とりで) マストの上でも煙突の上でも 酔わずには生きられないさ もう帰れないこの地の果てで バラを咲かせて 羊育てて パタゴニアで見る夢 街に入る よろい戸くたびれたか きしむ 熱帯樹の蔭で月から隠れ 遊んで 夜に酔っちゃ海にまた戻る男たち 煙突の上から帰る船を見守る 街のマノン 島まるごと波にさらわれる 天国みたいな浮かぶ城塞(とりで) マストの上でも煙突の上でも 酔わずには生きられないさ もう帰れないこの地の果てで バラを咲かせて 羊育てて パタゴニアで見る夢 パタゴニアの見る夢 パタゴニアで見る夢 |
ガルトネルのブナの森あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 谷口博史 | | あの年老いたブナの木 その 枝一つ一つ落としてゆく インダスに牛草はんでる間に間 あの年老いたブナの木 その 枝一つ一つ落としてゆく サイゴンの十字架朽ちてく間に間に 悪魔は眠ったふりや 死んだふりをするはずもなく 僕らに逢いたくて 見せかけの城に今も住みながら 愛してみせて 苦しめてみせて むごいつかの間 見逃さず 愛して抱きしめて さまよう廃墟街 廃墟の跡形もなく 月夜に城の跡 愛した跡形もなく 愛してた? 誰と 誰と 誰と あの時ささやいた言葉の色 また一つ一つ色移りて 老いたブナの木の葉擦れ合う間に間 あの時ささやいた言葉のくさび また一つ一つ錆ついてく 朽ちた船底の夢も洗いさらう間に間に あなたは眠ったふりや 死んだふりさえおしむことなく 誰かに逢いたくて 滅んだ夢に今も住みながら 愛してみせて 苦しんでみせて むごいつかの間 見逃さず 愛して苦しめて 愛して苦しんで |
びわの実パレードあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・谷口博史 | | びわの実とあじさいの頃の僕と君とは びわの実とあじさいの街で僕と君とは ねぼけてこごえながら 夏だよって 笑ったら おどけてこごえながら 夏だねって 笑ってた かぼそい小枝の びわの実 もいでは 窓辺の木陰で びわの実 ほおばった おぼえているだろうか 深みどりの色の 波の上でねむった日 ゆれて あなたにくちづけ なみだで 海も潮風も 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 ねぼけてこごえながら 夏だよって 笑ったら おどけてこごえながら 夏だねって 笑ってた まばたく路地裏 はばたくしあわせ しわくちゃ 夜明けに あじさいが首振る朝焼け おぼえているだろうか 深みどりの色の 波の上でねむった日 ゆれて あなたにくちづけ なみだで 海も潮風も 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 夏の絵ハガキかけば あなたがそばで寝息たて 不思議だな遠い銀河(そら) びわの実パレードがゆくよ 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 夏の絵ハガキかけば あなたがそばで寝息たて 不思議だな遠い銀河 びわの実パレードがゆくよ |
シャドウレス・ア・ポカリプスあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | Choppiring Kawwaick 0.15 Picogram dk Choppiring Kayuuick 0.15 Picogram zt 枯葉を歌えば朽ちる葉芳れり 病ら葉繁えれば若葉は萎れり Rock'nRoll は苔むす時まで 輝く理想は地球儀回して ひばりの雲間に未来を降り蒔いて 空中(そら)には中庭 彼等は一列 真昼に影をとられて並んでる.....誰もが 眠くなるまで 肩ヲクッツケテ 暗くなるまで 視ッツメアッテタ 枯葉を歌えば朽ちる葉芳れり Rock'nRoll 苔むす時まで 僕らはさあ フラミンゴ並ぶ日に 僕は君 君は僕といっしょ いつ いつ いつだっていっしょで 永遠に一緒に だったね 若さと希望は地球儀回して 嵐の雲間にはじき飛ばされて 空中(そら)では中庭 誰もが一度は 真夏に影をとられて並んでた.....誰かと 眠くなれなくて 抱キシメアッテタ 暗くなっても 視ッツメアッテタ 病ら葉繁えれば若葉はしおれり Rock'nRoll 苔むす時まで 僕らはさあ フラミンゴ踊る日に 僕は君 君は僕といっしょ いつ いつ いつだっていっしょで 永遠は一瞬 だったね 眠くなるまで肩ヲクッツケテ 暗くなるまで視ッツメアッテタ 眠くなれなくて抱キシメアッテタ 暗くなっても視ッツメアッテタ 眠くなるまでヒトツメノ星ヲ 暗くなるまでフタツノ永遠カラ |
雪男あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ひとりさみしい夜には 星を眺めていることもあるんだよ 星は僕に何にも教えてくれはしないけど そして、どんなに泣こうとも |
あこがれそして港bあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 谷口博史 | | 湧き立つ白雲にうれしさこらえて だからいたずらに だからいたずらに 笑っていれたよ ゆらめく階段を 一人っきりでおりて 泡だつ海岸 一人泳いだ夏 キスのことも知らずに まだ僕は16のままだった 君のことも知らずに 港いっぱい果実が浮かんでいたのだから まちきれない夏の坂を埃にまみれて だから走って 走って逃げ出して 知らんぷりしてたよ ゆらめく鉄塔を 一人っきりでおりて 泡だつ海底 届くばかりの丘(おか) キスのことも知らずに まだ街は16のままだった スキだとも知らずに 空いっぱい果実がうかんでいたのだから ただただその日のことは だからだからその日のことは もう忘れてほしいよね 街はかわってしまったのだから ただただその日のことは だからだからその日のことは もう許してほしいよね 僕もかわってしまったのだから だから だから だから だから だから だから だから だから もう忘れてほしいよね 今は変わってしまったのだから キスのことも知らずに まだ僕は16のままだった 君のことも知らずに 港いっぱい果実が浮かんでいたのだから キスのことも知らずに まだ街は16のままだった スキだとも知らずに 空いっぱい果実が浮かんでいたのだから だから だから 憧れていたん だから だから だから 大好きだったん だから だから だから だから だから |
たそがれる海の城あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・セロニアスモンキース | | 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら あの時 僕らは 屋根の上 ふたりで並んで 屋根の上 真昼に燃え出す 海の屋根 ひろがる空いっぱいの秘密さ秘密さ 誰あれも知らずに わきたつ砂の城 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で たそがれる 海の城 みんな揃って波にゆらゆられながら 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら 桃色珊瑚 紅珊瑚 白い珊瑚 腕かざし 桃色珊瑚 紅珊瑚 白い珊瑚 腕かざし 腕飾り 耳飾り 桃色珊瑚 耳触り 首飾り 指輪にも 桃色珊瑚 指輪にも あの時 僕らは 波の上 ふたりではしゃいで 波の上 真昼に燃え出す 波の船 ひろがる空いっぱいの秘密さ秘密さ 誰あれも知らずに 消えてく砂の城 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら たそがれる 海の城 みんな揃って波にゆらゆらゆられながら 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら |
ジブラ流樽ワルツあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 安達昌宣 | | あぶくの上でうみがめ眠る キャビアのマフラーでちょうざめ踊る 航海日誌は羅針盤めぐり 七つの海底(なかにわ) 船酔う船長(キャプテン) 取舵一杯千鳥足踊り 七つの魔の海うろつきやつれてさぁ さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ 錨をしずめて あなたの腕で 錨をしずめて あなたの胸で あてすらない海の果て まぁるい夕陽だぁけは あなたの笑顔になる 月夜の海でじゅごんは歌う 海へび並んで ファゴット鳴らす 交換日誌は希望峰(ケープタウン)めぐり 七つの智恵の輪 解けない船長(キャプテン) 面舵一杯面影よぎり 七つの魔の港都(おか) うろつきやつれてさぁ さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ 錨をしずめて あなたの腕で 錨をしずめて あなたの胸で あてすらない海の果て まぁるい夕陽抱けば あなたの笑顔になる さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ |
珊瑚魔術師の弟子あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 谷口博史・OTO・丸尾めぐみ | | 寝静まる サンゴの森で サンゴの魔術で サンゴ叩け ぼやぼやしてると夜が明ける サンゴの魔術で サンゴ叩け つきあげる サンゴの腕で サンゴ達よ ボンゴ叩け わきあがる サンゴの声で サンゴ達よ サンゴ建てよ さがし続けていた 言葉がそこにあったけど 禁じられてしまった 言葉もそこにあったけど キラメク宝石に似た 言葉がそこにあったけど 静かに横たわってる 言葉もそこにあったけど どうしても聞こえなかった サンゴ魔術師の 言葉さえ どうしても聞こえなかった 僕は君とそこにいたのに 水底 玉手箱 水夫の歌声もなく ガイコツ船長さん ただゆらめく指の骨 愛してた 誰を 何を 誰を つきあげる サンゴの腕で サンゴ達よ ボンゴ叩け わきあがる サンゴの声で サンゴ達よ サンゴ建てよ サンゴの森の 最後の墓場 亡霊船乗り みな底に眠る サンゴの裏の 最後の金銀 ルビーの財産 サンゴ墓場に やっと見つけだした 言葉がそこにあったけど 本当に言いたかった 言葉もそこにあったけど 君にだけ言いたかった 言葉がそこにあったけど 静かに伝えたかった 言葉もそこにあったけど どうしても言えなかった 地の涯てまでも叫んだけど どうしても言えなかった 僕は君の前にいたのに あのときささやいた言葉の意味 また ひとつ ひとつ おもいだして あのときささやいた言葉の意味 また ひとつ ひとつ おもいだして |
港のロキシーあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 夏の終わる頃が近づいてくると つかの間の楽しみが消えていくみたいで 笑顔は寝顔へとさざ波立って 寝顔は笑顔へとまた寄せかえし 渚づたいに誰かの笑顔と 並んで重なってどこまで歩いてく 窓辺にまどろんだ夏の寝顔さえ ゆらいでもかすんでも それでも続いてた 夏の終わる頃が近づいてくると 映画で遊んだ友達も帰るのだろう 夏雲は映画館の屋根の上から 秋風のプラットホームに手を振りながら 渚づたいに誰かの笑顔と 並んで重なってどこまで歩いてく 窓辺にはにかんだ夏の素顔さえ はなれてもかすんでも ずぅっと憶えて |
いとしの第六惑星あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | もう忘れかけた霜降る月まてば 今船が沈む刻の胸に 遥か地の星 海にうかぶ 今宵 ぼうし かしげ 少し おもいけむり はいて船は くろい森を 阿蘇へ かえりたくない かえりたくない 同じことばをしゃべるとこへは かえりたくない かえりたくない 今 夜が巡る 双子のつばの上 光るガラスと仰ぐ 同じ星の下 そらにあそぶ もみじしだき うなじかさね あゆむ ひとり 滝に湯あむ スピカすだく 他に訪うものなく かえりたくない かえりたくない 君の唇奪うことばをしゃべるとこへは かえりたくない かえりたくない 熊本 南熊本 水前寺 龍田口 三里木原水 肥後大津 瀬田 立野駅 のりかえ 長陽 阿蘇下田 あとは 夜峰の岳 かえりたくない かえりたくない だけど 同じことばをしゃべるとこに こんな美し処 かえりたくない かえりたくない 明けの星がふるえ ねむい船は 有明 うみの かなた 博多 ヒカリ 最終 レール あとは ネオン トオキョオ かえりたくない かえりたくない 君の唇奪うことばをしゃべるとこへは かえりたくない かえりたくない 君を抱いていたい二人だけでいたい かえりたくない かえりたくない 君と 二人だけでいたい 君を抱きしめて |
春の嵐の夜の手品師あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | むかし私はバレリーナ だから心のドレスが今も揺れてる 今はひとりいつもあてなし 春の嵐の夜の手品師 私の心の誰にも見せない青い小筺 だから今は何も言わず 私を抱きしめて 明日は全てが変わるもの あなたが夢見た全てのものが もちろん今でもあなたが好きだわ だから胸のフリルが今も震えるわ いつかは誰もが全ての謎明かし 春の明朝に色あせていくのね 私の心の誰にも見せない青い小筺さえ だから今は何も言わず私を許してね 明日は全てが判るもの あなたが夢見た全てのものが だから今は何も言わず あなたの思いを じっと抱きしめて 明日は全てが判るもの あなたが夢見た全てのものが だから今は何も言わず あなたの思いを じっと抱きしめて 明日は全てが変わるもの あなたが夢見た全てのものが |
水晶になりたいあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 水晶になりたい 地面の中から顔をのぞかせて 歌をうたっていたい 時々とおる旅人たちに 歌をうたっていたい ひろがる大空いっぱい 水晶になりたい 地面の中から顔をのぞかせて 水晶になりたい 地面の中 体もぐりこませ 歌をうたっていたい 時々とおる旅人たちに 歌をうたっていたい ひろがる大空いっぱい 水晶になりたい 地面の中 体もぐりこませ どうしてあんなに 青い空の上 ウォウォウォ ウォウォウォ |
24時の惑星あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 高浪敬太郎 | | 電線の切れた夜明けのビルディングに口づけをする 明けの明星 コートの襟を立ててエレベーターを下る 青い冷気 パジャマの脱げた波止場裏の酒場から聞こえる地球の裏のカーニバル そんな夜明けの景色に さっきそこにいたのかもしれない君の残り香で 言葉にならない微睡みを ありがとう 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 7時のニュースで目が覚めてしまって うとうとしてたらもう9時も過ぎて あなたからの電話が来ないままお昼も過ぎた 途方に暮れたまま天気予報は当たってしまって 雨の午後になる 宵の北の地平線すれすれにかかっているカシオペアも見えない そこは古代エチオピアのお姫様が住む星だけど 何故だか 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 勇士ペルセウスがメドウサの首を獲って その赤い血の中から高く嘶き 真っ白なペガサスは 羽撃き上がる 誰かの窓からアンドロメダ大星雲 たったさっき数百万光年の輝きを 今、見る驚き 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ もう「サヨッナラ」は絶対に言わない このことは終りにしたくない 君の言葉の 君の声の 君の唇の 君の言葉の 君の声の 君の唇の たった独りの夜に コダマになってまだ聞こえている たった今夜 たった独りの夜に コダマになってまだ聞こえている たった今夜 |
赤色エレジーmoonriders | moonriders | あがた森魚 | 八洲秀章 | 岡田徹・白井良明 | 愛は愛とて何になる 男一郎 まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎 ままよとて 昭和余年は春も宵 桜吹雪けば情も舞う さみしかったわどうしたの おかあさまのゆめみたね おふとんもひとつほしいよね いえいえこうしていられたら あなたの口からさよならは 言えないことと想ってた はだか電燈舞踏会 おどりし日々は走馬燈 幸子の幸は何処にある 愛は愛とて何になる 男一郎まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎 ままよとて 幸子と一郎の物語 お泪頂戴ありがとう |
太陽がいっぱいあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 初めて 都会へ 出て来た年の夏 友達に さそわれて 海を見にいった 磯部は 若い 男や女の子達で 何もかもが 眩ぶしすぎた 友達のヨットの上で 友達の彼女が ヨットよりも白い手で 麦藁帽子を 海にむけて涼しげに 振っていたけど 俺にもやさしいひとが欲しかっただけさ その日の 海は 青く深く澄んでいたけど 俺のナイフは 海の底に沈んでいた 友達の彼女とふたりだけで泳いだ日 砂浜の上でくちづけをした 昼下りの磯辺は 風と波と砂とばかりで ふたりが離れたら 海猫が 泣いていた 彼女は微笑むけど 何んだか口惜しくなって 口びるを噛みしめて ぬぐっても ぬぐっても ナイフで裏切った 傷口が赤すぎた 俺にも やさしいひとが欲しかっただけさ その日の 空は 白く高くぬけていたけど 俺のナイフは 海の底に錆びていただろうか |
ふもれすくあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 例えば 雨にずぶ濡れ野良犬にも 空を流れる雲を眺める木樵達の悲しみは 判らない時もあるだろう あるいは 昨日見た映画の砂漠のお月様にも 暗い御空のむこうの喜び悲しみは 判らない時もあるだろう 僕にも こんな日々に 明日におののきうめき喜びなげいてる 乙女達の胸の内はおそらく判るまい だけども この僕が どんなにおののきうめき喜びなげかい あなたを待っているかは あなたには判るまい 打ち上げられた 酔いどれ破れ船の夢の様に 明日の磯辺に 真砂と砕ける様に この僕のこのふたつの手で あなたをどんなに強く抱きしめても あなたもいつか死んで行くだろうか 崩れていった男や女達の夢のように 明日の御空にあてなくさまようように この僕のこのふたつの手で あなたをどんなに強く抱きしめても あなたもいつか帰ってゆくだろうか |
一寸とそこまであがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 矢野誠・あがた森魚 | | 夢みる街角 少年たちの リリリと口笛吹く音色 ほら あれだよ るり色稲妻かきわけ見上げてごらん 僕らの地球でまたたくや 宇宙の窓辺にニューヨーク リオデジヤネイロ照らす月 糸すぎ萌える 丘の国 泉を渉る愛の曲 ほら素敵だよ いつか二人で歩いたよ嘘みたい みつめてごらんあなたの生まれた星がささやくよ 宇宙のラジオにエッフェル塔 微笑返すはスヒンクス あのこは 今日も 夢みているか このこも泣かずに歌えるだろか ほらうみだよ 宇宙の朝潮波こえ つかんでみたいな 二人の生れた素適な星を わたってみたいな絹街道 お江戸の柳の日本橋 |
君のことすきなんだあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | きみのこと すきだった とおくからみつめても きがつくと そばにいた 秘密のよな まばゆさに わけしらずひきづられ ゆびにさえ ふれてさえ きみのことすきだった もしもきみがしんだなら 約束はただひとつ みずうみになきがらを だきしめて 泳いでく みずうみにかすむまで きみのこえ きいてさえ きみのことすきだった しろい頬てをそえて みずうみになきがらを だきしめて およいでく みずうみにねむるまで だきしめて およいでく みずうみにかすむまで ゆびにさえ ふれてさえ きみのことすきなんだ |
パール・デコレーションの庭あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 矢野顕子 | | 父さんの絵葉書の少し読めない文字 に・じ・ん・で・る この真珠飾りの庭の都市 百合を飾った蓄音機 黒い悪魔の音の函 だだだだ だだだだ 進みます 父さんはね この海の底が大好きだ 今こちらでは大博覧会 もうすぐ二十世紀も終わるからね こちらもやたらに忙しい KUN......KUN...... つぶやくように あわ吹いて ぶあついレンズに現れて うろこの紳士も洗われて ヤッボー ヤッボーと エンジンも 父さんの絵葉書…ところどころ読めない も・う・み・え・な・い 真珠飾りのケーキの庭は サリガニ銜へた潜望鏡 黒い怪しい音の函 だだだだ だだだだ 走ったもんさ 広場ではエッフェルタワーや ケーブルカー 凱旋門をくぐりぬけ もうすぐ海の旅も終わるからね こちらもやたらに忙がしい KUN......KUN...... 泪をふいたら あわ喰って ぶあついレンズで見つめあい うろこの紳士も遠ざかる ヤッボー ヤッボーと おさらばと ヤッボー ヤッボーと おさらばと |
乙女の儚夢あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | あわれ乙女よ何故歎くか お巡りさんがわけ迅えば お願いだから許してね 弟 いもうとおなかすかして 待ってるからね なくなと云えばなを泣いた かた うちふるわせて 乙女の父親人力俥夫豊八は にげたお春の日々を追い酒に歎き暮れ 弟 いもうといじらしく ジっとひもじさこらえれば 小さな胸にそっとあたためてみた あぁとりがらソップ お姉様はね 廓街錦紗の帯にほお紅で すてきなのよと 乙女よこがれよと アコーディオン鳴りわたり 物語り泣く宵の辻よ とおりぬけれます いえ通りぬけれぬ 春をひさぐ あぁメリンスフトン |
雨傘あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 昨宵 あなたが忘れていった雨傘 水玉模様がほろほろと ぼくの晩のお使い一緒にね 斜に飾せば五月晴れ 飛んで往き来の濡れ燕 傘はきみに逢いたいよっていってるよ ぼくも少しは逢いたいよな気もするし こんど雨の日遊びに来ませんか だからどうぞ遊びに来てください でももう逢いには来ませんか もう逢いになんか来ませんよね あなたに伝えたいぼくの本当を こんな切ないペンで書き切れぬのなら いっそのこと喉掻き切れた方がどんなに 楽だろうにねと想いつつ 楽だろうにねと想いつつ 昨宵きみに書いた水色手紙 水玉泪で虹が架かり 煙草で火を付けもしてしまった こんど雨の日逢いに行きたいな 傘も逢いたいっていってるし ぼくもほんとに逢いたいし こんど逢えませんか いやもう逢えませんね もう逢うのなんてだめですよね ぼくさえあの時大人しくしていて きみを識らぬふりできていたら 五月晴れの中の夕立ちのように 束の間の雨宿りで済んでたらどんなに 楽だったろうにねと想いつつ 楽だったろうにねと想いつつ |
電気ブランあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 浅草六区に行くんだったら電気ブラン たった五十銭 神谷バアの電気ブラン 一口天国二杯で地獄 三杯呑んだらあの世行き あの娘のようにシビレてしまうぜ 電気ブラン おさかなうまいね神谷バアの電気ブラン |
冬のサナトリウムあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ほんの少しだけれど 陽が射し始めた 雪明り 誘蛾燈 誰が来るもんか 独人 荒野から山径へ 邂逅はまぼろし 弄びし夏もや 何が視えたんだろか 抱擁て 十九歳十月 窓からたびたち 壁でザビエルも ベッドで千代紙も 涕泣いた |
清怨夜曲あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 汝が綺髪 かき抱き 吾が綺夢 見果てぬとも 添うて踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ 素敵よ夜の曲片 あなたの肩でるりるら踊れたら だから踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ でも怖いの ほらあんなに 明日も淋しそキラキラお星さま はなすもんか明日こそは 大きな海を見つけに行くんだぜ きっとよ お日さま照って 遠くまで仕合せが見えるのね 泣くなよ そんな泣いたら 僕だって悲しくなっちゃうよ だから踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ 海も踊ろどんどんあれろ 天の神鳴りさまも 何にもかにもこわれてしまえ もう明日なんて怖くはないし だから踊ろ僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ |