惚れた女の弱音酒

パラパラと 降る雨に
何を流して 酒あおる
そんな男は もういない

音たてて 降る雨に
傘もささずに 走り去る
そんな男も もういない

夢はとっくに 捨てた人
その身案じて 惚れた人
六坪ちょっとの この店で
今夜も待っては お酒注ぐ

カラカラと 空回り
男と女 向い酒
どうせ実らぬ 物語

ポロポロと 落ちてくる
泪拭かずに 下を向く
しょせん遊びと 無口なる

過去は それぞれあるでしょ
何も聞けずに 惚れた人
六坪ちょっとの 居酒屋の
惚れた女の 弱音酒

女ひとりでそこそこに
生きて来たけど 恋だけは
六坪ちょっとの店だけど
何にもいらない 弱音酒
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