風紋

今頃お前は アパートに戻って
化粧台の前で 時計をはずし
疲れたその手で 見慣れた文字での
お前あての手紙 読んでいるだろう
乱れている文字は 忙いだ訳じゃなく
窓を叩く雨に とまどいをかくせない
夜明け前 出てゆけるけど
ぬくもりをお前には残せない

形を変えてく 風紋にも似て
あの頃見た夢も 変わったけれど
ひとつの言葉で 傷つけ合うのは
誰のせいでもなく 若すぎたんだ
別れることを今 覚えてしまうけど
時の流れが又 お前を強くさせる
気紛れな男だけれど
明りだけこのままにつけてゆく
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