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遠くに見える知らない街
多くの生活がそこに在り

踏切を横切ってあの電車は行く
風が吹けば花は少しだけ揺れる

会いたい人は遥か遠くに居る
雲の隙間からそっと光が差す予感!

柔らかく膨張する雲と
弛む電線が交差している
夕陽の落ちていく様はまた
呼吸さえ奪って行ってしまう

目眩のするような日々の事
少し汗ばんだ額を拭う
いつまでも美しさを
憶えていたいだけ

鼓膜に張り付いて離れない音が
今日も明日も私を守っている

遠くに見える知らない街
多くの生活がそこに在る
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