よるのなか

みずいろの爪 上手に塗れた 小さい頃に憧れたもの
大人になるのは 案外簡単で 思ったより痛くもなかった
ただ静かな夜を切り刻んでいく 秒針に怯えてただけ

時は止まらず夏がまた来る 体だけ私からがれていく
鏡の中の知らないひとが 煙草ふかして こっちを見ていた

電池はずして その音を止めたら あんまり自由で眠れなかった
懐しいひと 今もしここにいて こんな私 なんて呼ぶでしょう
あの頃のまま 猫みたく あだ名で呼びよせてくれるだろうか

夢は違わず今も見てるよできるだけまっすぐに生きてくように
誓った空と あなたの瞳は いつまでも 私の中 漂って

また 朝がやってきて 明日が始まる
日々 すれ違うことの 愚かさに目を閉じる
ただ甘えてるだけの 想いだとしても
いつまでも 変わらない何かが欲しいよ

時は 止まらず
夏が また 来る
誤魔化して
ずるを して 大人になる

光が射して 朝はまた来る 眩しさに憧れて窓を開ける
鏡はいつか粉々に砕け散って
遠く空へと 飛び立つのだろうか
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