午後の反射光

「睫毛の隙間 踊る光を掬い取れたら
すぐに見せてあげる」
空をめくれば いつか飛び越えた夜も見つけた

「ねえ 宙を待っていたの 終わらないように声を繋いで」
「ねえ それと言わず教えてよ 曖昧なトーン耳打ちで」

懲りもせずまた夢の破片弄り
色違い掴んで灼け爛れても
届きそう、今ならきっと、と繰り返す

あなたが笑うたびに その滲んだ右の眼から溢れ出す光は
いつも君を奪い去る きっと止まらないね
ずっと伸びてゆけよ 今結んださよなら

背筋にすっと15:08の光 留めて踊っていた
逸れたボタンホールの中で
僕はすっかり乗り遅れ
燻んだブルーにフレームアウトした

(遠い警鐘 煙が上がる 何故だろう
綺麗な綺麗な夢を見るたび 胸が濁り出すんだ?)

古い扉 何遍も叩く夜を 急ぎ足で通り過ぎていくよ
繋ぎたい 今思い出すように造り出した最後を
クラクションが撃ち抜いてしまっても

吸って吐いた 息燃やして
言えないや これも抱きしめてゆくよ
きっとそうだ 今笑った

あなたが笑う度に その潤んだ右の眼から
溢れ出す光の中でいつか会えるなら
すぐに教えなくちゃ ずっとここにいたんだよって!

きっと伸ばした指先が 空をまためくるよ
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