白い花

白い花の落とす影のそれすら白ければ
その目はもう長い夜に吸い込まれずに済むの?
瞼閉じてから僕は君を見つけるよ

幽霊みたいになって君の胸に滑り込もう
遠い窓から懲りもせずに新しい煙草に
火をつけて

振り向けば夏が来るけど
鍵は開けておいてよ
笑い方忘れたなら
走ってゆくよいつでも

誰よりも早く朝陽が君を抱きしめるより
それよりも早く君の窓を僕はすり抜けて

幽霊みたいになって溶け出した夜を抜けて
そっと降り積もる羽根も舞わぬように、
新しい季節が花弁を浴びるように、
できるだけ、起こさぬように…

ばれた?ごめんよ……
×