灯ともし頃のセレナーデ

薄紫の たそがれは
燃えて残った 恋心
改札口に あの人が
迎えてくれる 幻(ゆめ)をみる
二人の部屋は なんにもなくて
夢だけ食べて 暮らしてた
胸にこぼれる ピアノの音は
灯ともし頃の セレナーデ

夕陽のなかの 駅前広場(ロータリー)
私置きざり 暮れて行く
家路を急ぐ 人たちの
背中を送り 立ち止まる
西日の部屋は 合鍵ふたつ
いまでも私 捨てられず
胸を叩いて ピアノの音が
灯ともし頃の セレナーデ

いまならわかる 若すぎたこと
いまならわかる 夢のあと
胸にこぼれる ピアノの音は
灯ともし頃の セレナーデ
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