うつせみ

時折筆を 手にとれば
愛しい名前 書いている
まるで私の 黒髪が
あなたの名前に からむよう
うつせみ うつせみ 逢いたくて…

今宵限りと 諭すのか
修羅にもなれぬ 我身なら
乱れた衣も 直さずに
ふたりの夜に 溶けましょか
夢の浮き橋 朝がくる

帰らぬ夢の ぬけがらか
思いだしては 誰を待つ
あなたにとっても あの恋が
真実であったら それでいい
うつせみ うつせみ それでいい
×