呼人駅

あれは二月 真冬で 流氷だけで
最果ては…
なんにも無かった 凍(しば)れてた

待っているのが 愛の証(あかし)と
信じてよかった 呼人駅
やつれていないか あのひとは
高まるこの胸に 三秒 一秒
近づく列車の 汽笛がしみる

鏡橋(かがみばし)を渡って 笑顔になって
あのひとが…
わたしのところに いま帰る

好きなすずらん 袖(そで)にかくして
迎えに佇む 呼人駅
線路のむこうは オホーツク
ご苦労さまでした お帰りなさいと
かもめよおまえも 迎えに来たのね

呼人はちいさな 無人駅
死んでもこの命 離しちゃ嫌だと
すがって泣きたい 涙のままに
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