小貫信昭のコラム一覧
第72回 コラム画像です。 竹原ピストル「よー、そこの若いの」 竹原ピストルの歌は、熱唱を超えた圧唱であり、心が揺さぶられるどころではなく、ぶん投げられることさえある。たとえば、話題になった「アメイジング・グレース」に自ら日本語詞をつけたヤツ。あれなんか特に、最後の最後、ぶん投げられる。でも、彼はちゃんと、受け身の仕方も歌のなかで教えてくれている場合が多い。
第71回 コラム画像です。 Mr.Children「HANABI」 Mr.Childrenの作品を聴いていると、「こりゃ降参だ」と思うことがある。私は曲を書く立場ではないし、そもそも勝負などしてないのに、そう思ってしまう。でもこれこそが、最上級の感動だろう。ほかに較べるものが思いつかない。だから降参だ。今回紹介する「HANABI」は、まさにそんな1曲である。
第70回 コラム画像です。 SHISHAMO「君と夏フェス」 それにしても「SHISHAMO」というのは、親近感バツグンのグループ名だ。ちなみに漢字では柳葉魚と書くけど、彼女たちのバイオグラフィをみたら、アマチュア時代はこの表記だったらしい。もしこれが高級魚系の、例えば「NODOGURO」というグループ名なら、ちょっと遠目に眺めてしまっていたかもしれない。さて、いったい僕は何を書いているのでしょうか。ではさっそく始めましょう。
第69回 コラム画像です。 高橋優「福笑い」 高橋優の書く歌は多岐に渡る。ボブ・ディランに影響受けたと思われる「Mr.Complex Man」から、ハナ肇とクレイジーキャッツに影響受けたと思われる「ヘベレケ行進曲」まで、実に幅広い(“影響受けた”と書いたけど、これはあくまで、そう思えなくもない、という程度も含む)。そう。多岐に渡るし、思わずこのコラムで取り上げたくなるものが実に多くて有り難い。
第68回 コラム画像です。 中島みゆき「糸」 昨年の11月、中島みゆきの新作アルバム『相聞』がリリースされた。話題となったドラマ『やすらぎの郷』の主題歌「慕情」を含む全10曲入りだ。 CD不況が叫ばれ何年も経ち、オリジナル・アルバムを完成させることから縁遠い大物アーティストも居るなかで、彼女は比較的、コンスタントに発表している。
第67回 コラム画像です。 欅坂46「サイレントマジョリティー」 さて今月は欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」を。この作品といえば、細かく激しい動きが特徴の、ダンス・パフォーマンスとともに記憶されている人も多いだろう。でも、歌詞だけ眺めてみても、非常に“来る”ものがある楽曲だ。実は今回、聴く人のジェネレーションにより印象が変化する「風に吹かれても」にしようか悩んだけど、ここはインパクトも重視して、こちらに。
第66回 コラム画像です。 DREAMS COME TRUE「あなたのように」 DREAMS COME TRUEの3年ぶりのオリジナル・アルバム『THE DREAM QUEST』のジャケットを手にした時、僕はこう呟いた。「ブロンズ像になっちゃうのは、まだ早いのでは…」。しかしよく目を凝らしてみると、そこに居るのは彼ら二人のようで、似てる他の誰かのようにも思える。
第65回 コラム画像です。 森高千里「私がオバさんになっても」 本当に「新しい」ものって、最初はちょっと違和感を伴ったりする。「私がオバさんになっても」という歌を知った時が、そうだった。“曲のタイトルにオバさんてどうなの?”。正直、そう思った。しかし“オバさん”にこだわった自分は、未熟だったかもしれない。タイトルに相応しい言葉と相応しくない言葉を、勝手に選別していた。
第64回 コラム画像です。 米津玄師「LOSER」 「歌詞」の世界は、この10年で変化した。コトバをサウンドの一部として捉えて書かれたものが増えた。その特色はなんだろう。歌が伝える意味の密度は薄くなりがちだが、その代わり行間を膨らませて、受け手側がイマジネーション豊かに受け取れる構造になっている点だ。それもイイ。過去にこのコラムで取り上げたものにも、そんな作品があったはずだ。
第63回 コラム画像です。 はっぴいえんど「風をあつめて」 今月は、はっぴいえんどの「風をあつめて」を取り上げる。この歌は、彼らが『風街ろまん』というアルバム(1971年)で発表し、その後、数多くの人達にカバーされてきた。根強い人気の理由は、どこにあるのだろう。本コラムらしく、さっそく歌詞を眺めてみよう。
第62回 コラム画像です。 WANIMA「ともに」 いま、ライヴがもっとも盛り上がるバンドであるWANIMA。もちろん、ノリやすい明快な演奏力が武器であり、彼らのことを知らなくても、初回から大いに盛り上がれる人懐っこい音楽性である。歌詞を知らなくても、まわりの人の真似をして、サビを一緒に絶唱することも出来そう。
第61回 コラム画像です。 鬼束ちひろ「月光」 あれは忘れもしない2003年8月19日。赤坂のサントリー・ホール。普段はクラシック専門の会場だが、当時はたまに、ポップス系アーティストのライヴも行われていた。言うまでもなく、素晴らしい音響のホールである。その日の主役は鬼束ちひろ。ピアノと弦楽カルテットを従え、彼女は歌った。震えた。客席に居て、心も体も震えっ放しだった。

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プロフィール 小貫 信昭 (おぬきのぶあき) 1957年東京は目黒、柿ノ木坂に生まれる。音楽評論家。
1980年、『ミュージック・マガジン』を皮切りに音楽について文章を書き始め、音楽評論家として30年のキャ
リアを持つ。アーティスト関連書籍に小田和正、槇原敬之、Mr.Childrenなどのものがあり、また、
J-POP歌詞を分析した「歌のなかの言葉の魔法」、自らピアノに挑戦した『45歳、ピアノ・レッスン!-実践レ
ポート僕の「ワルツ・フォー・デビイ」が弾けるまで』を発表。