さて、人気曲中の文字バイト数1位はGReeeeNの「ワイはワイワイでいいワイ〜おまえワィ?〜」の40バイト。6位にもヒット作「ミセナイナミダハ、きっといつか」がランクインしている彼らは、6月27日にアルバム『歌うたいが歌うたいに来て 歌うたえと言うが 歌うたいが歌うたうだけうたい切れば 歌うたうけれども 歌うたいだけ 歌うたい切れないから 歌うたわぬ!?』をリリースするので、今年は長文タイトルのアーティストとして話題になりそう。これまで「愛唄」「キセキ」「遥か」と短文タイトルのヒット曲が多い彼らだけに、新生GReeeeNとして新たなファンを取り込むかも。(但し、GReeeeNがトラック型パッケージで出した3枚組LIVE風CD、各地方でデカデカと余っているので、あれを回収するなりしなければ、イメージを払拭できない気もする。。。)
長文タイトルの上位16曲のうち、約1/3にあたる5曲がソナーポケットというのも面白い。サブタイトル(サブタイトル・ソングTOP10)や、句読点のフックが多い分、文字数も多くなるのだが、彼らの場合は、"いつだって逢いたくて"や"君に贈る歌"などその増やした文字に、女子の胸キュン要素を的確に高めているのが大きなポイント。また、それらがほぼ日本語というのも、彼らの真っ直ぐなメッセージ性をよりダイレクトに伝えている。
全体を見ると、他にもシェネル、Juliet、果山サキ、LGYankeesなど、シングルCDよりもダウンロードヒットが多いアーティストが目立つ。これも、胸キュン・メッセージが重要なダウンロード系ならではの傾向だろう。そんな中でももいろクローバーZが2位にランクイン。アイドル勢では伸び悩みがちな歌詞人気でも総合21位と、上位入りを果たすようになった。女性アイドルでは、キュートで爽やかなアイドルらしいタイトルが多いなか、彼女たちの場合は、その異質ぶりを示すのにこの長文タイトルが奏功しているようだ。ちなみに、CDショップ大賞受賞以降は、シングル、アルバム共に旧作がこぞって再浮上。また、ダウンロードでも、従来の急落型からロングセラー型に変わってきたので、これは次回作で大化けする可能性がある。07年〜08年頃のPerfumeのパターンとなるか、今から楽しみだ。
かつて1993年の前半にビーイング系アーティストがB'z「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」、DEEN「このまま君だけを奪い去りたい」、WANDS「愛を語るより口づけをかわそう」、大黒摩季「別れましょう私から消えましょうあなたから」、T-BOLAN「おさえきれないこの気持ち」と、こぞって長文タイトルを付けることで、オリコン・チャート上位の文字密度が一気に上がり、そのブランド力を確固たるものにしたことがあった。ソナーポケットをはじめダウンロード系アーティストが上位になりやすい歌詞検索ランキングではそんなことが見えるかもしれない。業界全体の起爆剤として期待される「ももクロ」も含め、今後の人気歌詞のタイトルの動向に注目しておきたい。