1位はシェネルのフジ木10ドラマ『ディア・シスター』主題歌。ドラマ自体はあまり話題にはなっていないが、それでもシェネルのこの楽曲は、歌声からも歌詞からも幸せを願う気持ちがビンビンに伝わってくる。ダウンロードでも、ここ数週間TOP級を維持しているが、クリスマス時期までキープするはず。
2位は、家入レオの8thシングルで、こちらはTBS金10ドラマ『Nのために』主題歌。シェネルとは対照的に、歌詞も歌声もヒリヒリするロッカ・バラード。しかし、ドラマの内容とマッチしていることもあって、ダウンロードでは自身初の週間1位を獲得し絶好調だ。デビュー年の大きな期待を背負っていた分、活動3年目ちょっと地味に映るかもしれないし、実際アイドル勢に押されてデビュー以来継続していたオリコンTOP10入りを逃してはいるが、本楽曲自体は歌詞検索でもダウンロードでも大いに支持されており、「こういうヒット感がもっと他のメディアにも伝播すればいいのに・・・」と、いつもながら思う。(知らない人がこの曲の魅力を知らないままでいるのが、あまりに勿体ない!)
その他、TOP15中9曲が女性ソロを占めており、女性アイドルグループのみならず、女性ソロの楽曲でも魅力的なものが沢山あることが分かる。また、男性ソロの秦基博「ひまわりの約束」はダウンロードでは4か月以上TOP10前後をキープ、カラオケでは今や週間3位に上りつめる国民的ヒットながら、紅白からもレコ大からも放置されているのが不思議。紅白は“口パク合戦”ではなく“歌合戦”なのだから、ここに挙がった女性ソロや秦基博、さらに常連化していたのに今年落選させたaikoやドリカム、コブクロ、ゆずなど歌声で魅了できる数々のアーティストの出場も、もう少し考慮して良かったのではと思う。勿論、そんな中で今年働きまくったMay J.を正当に評価したことや、ベテランの長渕剛や中島みゆきを呼び寄せた点は凄いことだと素直に思う。
昨年は、“SEKAI NO OWARI「RPG」が歌詞検索では既に大人気なのに、紅白出場していないとはあまりに不自然”とボヤいていたが、今年は見事に紅白にもレコ大にも出場。そうして、その役まわりは、今年back numberとなっているようだ。セカオワ、ワンオク、RADWIMPSと、これまでも、歌詞検索でのフィーバーぶりの1〜2年後、CDやダウンロードで本格ブレイクするバンドが何組も出ているので、back numberもそれに続く可能性が高い。しかも、彼らの場合、ロックフェスもホールLIVEも似合うバンドなので、例えば長年人気である「花束」を紅白で歌ったりすれば、きっと幅広い年代に支持されるスタンダードに化けるはずなのだ。(これは確信を持っています!)
以上のように、今年もこのランキングは様々なタイプの人気曲が出そろった。「紅白もレコ大も興味なく、J-POPは終わった」と嘆く前に、このランキングからお気に入りの1曲を見つけていただければとても嬉しい。