「Speaking to world」/木村拓哉
「FUTURITY SMILE」/シャイニーカラーズ
「アズライトブルー」/逢田梨香子
「ぐーちょきパレード」/とりぷるふぃーりんぐ(アニメ『三者三葉』)
「キボウノツバサ」/高石タケル(榎木淳弥)
(アニメ『デジモンアドベンチャー tri.』)
「神様になれるプログラム」/ロッカジャポニカ
「サプリ」/PINK CRES.
求められている「適切な存在感」であることを意識して、歌詞を書いていければと思っています。
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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
作家事務所に入所して、作詞コンペに参加するようになったことがきっかけです。当時は奈良県に住んでいて、作詞のために毎週新幹線で東京に通っていた時期もありました。ですが、事務所に入ってからも半年くらいは全くコンペに通らず……。それまで趣味の範疇で書いていた歌詞と、職業作詞家として書かなければいけない歌詞は全く違うということを思い知りました。入所から約一年半後に、Little Glee Monster「好きだ。」の共作詞が、“前田甘露”として初めて世に出る作品となりました。
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Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
学生時代から書き溜めていた過去の自分の歌詞を読み返します。(未発表のもの)
最近の話ではないのですが、作詞家を志すきっかけとなったのが、学生時代にGARNET CROWというバンドに出逢ったことでした。メンバーで作詞家でもある“AZUKI七”さんの作品に深く感銘を受けて、今の自分が在ると思っています。 -
Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
ほぼ毎回Aメロから順番に書き始めます。僕の場合はですが、音の流れに合わせて書き始めることで、サビの歌詞に最も良い心持ちで到達できるイメージがあります。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
あれば嬉しいのは【糖分】です。書いている曲のジャンルに合わせて、ハイテンションな楽曲だったらショートケーキだったり、バラードだったら珈琲ゼリーだったり、ラブソングだったらアイスクリームだったり、クールな曲はチョコチップクッキーだったり……。楽曲の空気に合わせた甘いものを食べることが、自分なりの作詞ジンクスになっています。問題は作詞するほど太ってしまうことですよね……。
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Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
忙しい時、集中して書いていたら気づかずに20時間くらい経っていたことがありました。でも感覚的には数時間くらいだったので、ええー!と思い、急いでご飯を食べました。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
「未知だった共感」をくれる歌詞…でしょうか。今まで感じてはいたけど言語化されていなかった気持ちとか感情、そういった部分を言葉にしている歌詞に出逢えると、「この曲に逢えてよかった」と思う時が多いです。
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Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
星の数ほどあるのですが…。モーニング娘。さんの『なんちゃって恋愛』を挙げさせて頂きます。歌詞中の <そのうち テレビを買い替えない と いけないね> というフレーズ。この楽曲が発売されたのが、世間のテレビ放送が「地デジ」へ移行してゆく時期でした。何気なく出てくるフレーズなのですが、当時に聴くことで歌詞の中でタイムリーな共感が出来たのです。(個人的な解釈ですが)
時限的なロジックの描写が鮮明に時代を切り取っている感覚があって、「その時しか書けない今」を残していけるのも作詞家としての楽しさというか、ひとつの醍醐味なのではないかと思います。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?意識して多用しているわけではないのですが、「傷」「痛み」「今日」…は多いかもしれません。使わないように意識している言葉は特にありません。
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Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
良い意味で、「自分を出せる」ことと「自分を壊せる」ことでしょうか。そこを意識して、自分もまだまだ奮闘中です。
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Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
アドバイスを言えるような立場では全くないのですが……。僕自身、数年前までは自分が作詞家としてデビューしている姿は夢想の類でした。それでも、今こうして「言葉の達人」に載せて頂いているように、真摯に目指せば変わり始めるのが人生なのだと作詞家になって実感している最中です。
本気で目指したいものがあるのならば、当然のことながら行動あるのみだと思います。 まず当たって砕けなければ、カケラさえ誰にも拾って貰えないからです。
僕にとって作詞家になってからの日常は、メリーゴーランドの列に並んでいたつもりでいつの間にかジェットコースターに乗っているような、そんな予想外の連続です。驚くことも、上手くいかないことももちろん多くありますが、それでもこの場所にたどり着けたことを心から嬉しく、幸せに思っています。
だからあの時、立ち止まらなくて本当によかった。この記事を読んでくださっている、あなたの書く歌詞を楽しみにしています。
2014年より、作詞コンペに参加する。
2015年、Little Glee Monster『好きだ。』がTVドラマ『表参道高校合唱部!』の主題歌に起用される。
2016年、TVアニメ『三者三葉』のEDテーマ『ぐーちょきパレード』にてアニメソングの作詞に携わる。
2017年4月、奈良から上京。拠点を東京に移す。 同年大晦日、NHK紅白歌合戦にて、Little Glee Monster『好きだ。』が歌唱される。
2018年、初の詩集『世界で一番小さな海』を上梓する。
2019年、TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』キャラソンミニアルバム、収録曲全曲の作詞を担当する。
2020年、木村拓哉『Go with the Flow』収録『Speaking to world』の作詞に携わる。
SHINY COLORS
『FUTURITY SMILE』
2019年12月18日発売
LACM-14906 ¥1,300(税抜)
表題曲「FUTURITY SMILE」作詞