元々は作曲編曲を主とし、歌詞はほとんど書いていませんでした。ある楽曲提供の際に、仮で乗せた歌詞を気に入って頂き正式に採用、以降、作詞作曲をセットで依頼されるようになったのがきっかけだと記憶しています。

映画が好きなのでそれをヒントにすることはありますが、基本的には歌い手のことをとにかく考える。それを聴くお客さんのことをとにかく考える。こんな一面見れたら、嬉しいな、感動するな、とか双方の立場から考え、それを取っ掛かりにして書き始めます。

まずは曲の顔となるサビを書き始めます。その際、サビは言葉の意味だけでなく音楽的にキャッチーであることも大切だと考えているので、パッと聴いた印象でのパンチライン、フックをどうするか決めます。サビがある程度出来たら話を広げ、AメロBメロを考えます。

基本的にはひとりでないと集中出来ないので作業部屋で書きます。煮詰まったら散歩。それでも全く書けない時の最終手段は、風呂に作詞道具（ラララ入りのデモ、シンセメロのデモ、インスト、iPad、防水スピーカー）を持ち込み、ワンコーラス書けるまで出ない、とかやります。2時間くらい籠ることもありますが、大体うまくいきます。

曲も完成してあとは歌を録るだけ、というタイミングで、歌詞の中のとある単語が当時起きた事件を連想させるとNGになり、かつ、その単語がテーマに関わる部分だったので大幅に書き直し、大慌てで修正しました。

歌い手が放つ言葉として嘘がないこと、嘘と感じさせないこと。曲を聴く前と聴いた後で景色が変わって見えること。

RADWIMPS「マニフェスト」。世の中が選挙の話題を取り上げているタイミングでこのタイトルと、それをもじった盛大なラブソング。最後の締めは“君は僕の そう ファーストレイディー”。なんというロマンチック、やられました。

特に何も考えていません。

優しさ。人の痛みが分かる人とそうでない人とでは、前者の方がより距離感が近く、共感性の高い歌詞を書くことができると考えます。

書けなくても書く。書いていればいつかコツが分かって自分流も出来てくる。そこまで行けばあとは楽しくて、辛い。締め切りとか全然浮かばないとか、とっても辛い。辛いことはどこに行ってもついて回るし、どうせならやりたいことをやった方がよし、歌詞を書いた方がいいです。