高校生の頃に、作詞作曲を自分でするようになったことが最初のきっかけだったと思います。それからはテスト中に計算用紙の裏側に思いつく詩を羅列して書いたり、新しい曲と同時に歌詞を書いたり。なので、この業界に入る云々ではなく自然と詩を書いて来ました。当時の自分の人生観だったり、恋愛感情だったりでしょうか。

基本的には曲と同時に歌詞制作になっていくので、その出てきた曲調からのインスピレーションで書いていきます。あとは日常で起こる様々な事象、社会的風潮、精神状態でも変わります。

他には、こんな主人公、こんな事件や人間関係、恋愛模様があるのではないか、あったら面白いな、という想像力で書くことも多いですね。

『NEWTRAL』というアルバムの「愛言葉」という曲は、当時の震災の影響をかなり受けている楽曲になったりしています。

僕の場合、ベストなやり方は曲と詩が同時にAメロから出来上がって行ってサビに至る、というものです。なんとなくAメロに最初に出てきた言葉を繋げていく感じです。ただ、いろんな事情が絡むこともあるので、必要に応じて臨機応変に対応していくことも多々あります。

基本的にルーズリーフとシャーペンですね。日銀fで売っているシャーペンがお気に入りです。昔は最後に綺麗なルーズリーフで清書していましたが。今は最後にPCで清書して出来上がり、という感じです。

未だに言えない裏話があったりなかったり。「いつだって僕らは」という作品は、当時高校生の頃に、一つ上の先輩がそのタイトルで曲を作っていました。この曲のサビ冒頭＜いつだって♪＞というフレーズが浮かんだ時に、あ、あの先輩の曲名をここに当てこもう、と思い出しました。

詩と曲の抑揚が絶妙に成立していること。耳馴染んで身体に入って来やすいこと。その曲の世界観を押し上げている、増幅させていること。

RADWIMPS 「へっくしゅん」
当時メンバーで僕の車で移動していて。地元のFMをかけていたのですが。RADWIMPSという名前だけは聞いていて、曲を聴いたことがなくて。地元にラッドってのがいるらしい、という話だけはよく聞いていて。なんとなくそのFMからとんでもなくかっこいい曲が流れていて、曲送り、DJの方が「RADWIMPSで、へっくしゅんでした」と紹介されていて。「これは勝てない、こんな子達が出て来たらやばいことになる、と話していました。案の定、やばいことになりました。

昔は「愛」とか「愛してる」のような言葉をかなり避ける傾向にありました。どこからか抵抗なく使えるようになりました。大人になってしまったのでしょうか。大人になりました。若い頃に使うのがなんとなく恥ずかしかったんだと思います。

僕たちはあまりに自然に10代から作詞作曲というものを始めてしまっていたので、ナチュラルな自然体が大切だとは思うんですが。Jポップ畑なので、日本語の美しさとか、可能性というものにかなりポテンシャルはあると考えていて。なのでそういう部分を大切にしていきたいと思います。

先ほど書いたように、日本語にはひらがな、カタカナ、漢字、そしてひいてはアルファベッド、など多様なキャラクターが混在できるので、新しい表現や言葉選び、使い方など、どんどん取り入れてみるといいと思います。まだまだ発明できることがたくさんあると思うので。そんな発明を僕らは参考に出来たら、と楽しみにしています。