そのためにはまず自分自身が、音を楽しむように言葉を楽しもうと心がけています。
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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
学生時代にバンド活動をする中でオリジナル曲の作詞をするようになりました。 提供をさせていただくようになったのは、楽曲コンペの詞を採用していただいたことがきっかけです。
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Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
映画や小説や漫画を読んで、モードを変えるということをよくします。最近だと、おかざき真理さんの『サプリ』という漫画を(大好きなので、もう何度も読んでいますが今一度)読んで、自分なりの作詞モードにしてから詞を書いたりしました。
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Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
ひと通り曲を聴いて、その曲のフックはここだなと思った箇所から考えることが多いです。サビであることが多いですが、例えばサビを8小節ほど作ったら、後半は置いておいてAメロを作りはじめる、といったことも珍しくないです。最初にしっかり方針を決めておけば、パズルのような作り方でも最後にはこれしかないというくらいぴったり収まるので、その過程も楽しんでいます。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
専ら自宅です。詞はパソコンで書いていくことが多く、コーヒーとネット環境と辞書アプリは必須です。スマホは映画や小説や漫画をすぐ見られるようにしています。
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Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
作詞家あるあるだと思うのですが、例えば春の歌詞を書く時期はだいたい真冬だったりします。出来る限りの想像を働かせて春を描くのですが、仕上がった歌詞をあとで見てみると、実際感じる以上に「春」だなと思ったりします。春らしいアレンジや歌い手さんの表現力も乗るとさらに春感が増して、自分の中の春のイメージがまたひとつ増えたなと思います。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
しっかりと聴かなくても「引っ掛かる」歌詞です。
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Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
BUMP OF CHIKENの「ダンデライオン」が昔からずっと大好きな曲です。まるで小説のようでありながらちゃんと歌詞の型を守って、綺麗に物語が流れていきエンディングを迎えます。あのメロディー、あの歌声、あの曲調であの歌詞はどう考えてもずるいですが、何度聴いても泣いてしまいます。 素敵な映画を見たような気分にさせてくれる、こんな歌詞が書けたらなと思います。
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Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?オノマトペは好んで使います。短い言葉で感情や状況を端的に表すにはとても便利ですし、何よりリズムを出しやすいので、困ったときは「オノマトペ 一覧」とネットで調べます。
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Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
「正しい」を求めないことが大切だと思っています。違和感や不安定も歌詞にとって大切な要素だと思うので、自由に作って自由に歌っていただいて自由に解釈していただくのが理想的だと思います。
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Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
とにかく楽しんで続けてみれば見えてきたものがあるので、これからもそうしていきたいと思っていますし、これから作詞を始める方にも楽しんで続けてもらいたいです。
from EXILE TRIBE
京都府北部に生まれ、幼い頃からピアノやエレクトーンなどを学ぶ。
高校生のときに声楽に出会い、音楽大学に進学。
発声学を学びながら、オペラやコンサートを経験。
2002年頃より、関西でボーカルとしてバンド活動やソロ活動を始め、 FUNKやSOUL、BOSSA NOVAやPOPSなど様々なジャンルの音楽に触れる。
同時に独学で作詞の勉強を始め、オリジナル曲の作詞をするようになる。
現在は株式会社ワントラップの作詞家として活動中。